美容コラム -キレイな素肌になるためのヒント-
年末年始、多くの人々が様々なプレッシャーに直面します。仕事の締め切りや家族行事の準備、そして帰省・休暇の計画など、これらのタスクが重なることで、心理的なストレスが蓄積しやすくなります。そこで今回ご紹介したいのが、「マインドフルネス」という考え方。ストレスが溜まったり思うように動けないと感じたりする日のヒントになるかもしれません。
ここ数年で注目されている「マインドフルネス」とは?
マインドフルネスという言葉は、耳慣れないかもしれませんが、書店の表紙などで単語だけ見かけたことがある人もきっと多いかもしれません。日本語に簡単に言うと「今ここに集中する」と置き換えられます。より詳しく説明するとこの言葉は、自身の意識を内側に集中させ、現在起きている瞬間をそのまま受け入れる心のあり方を表します。 私たちは日々の生活の中で約6万回の思考や意志決定を行い、多くの考えを巡らせます。そのなかには、過去の経験や人かわ言われたことを反芻したり、失敗によって行動を縛られたり、未来について思いを馳せて、過度に心配したりすることも含まれます。これらの思考を一時的にシャットダウンし、現在に集中することで、心の平穏を保つことができます。日本人にとっては古くからある「坐禅」が、マインドフルネスに近い考え方かもしれません。 もちろん、日々の忙しさに追われてやる気が出なかったり、心がざわついたりすることは誰にでもあります。しかし、こうした忙しい時期を乗り切るためにも「マインドフルネス」という考え方はとても有効です。ストレスや不安を減少させるだけでなく、精神的な健康を高め、日常生活の質を向上させることができるので、その方法をぜひ日常生活に取り入れてみましょう。
どんなときに「マインドフルネス」の考え方が応用できる?
例えば、家が散らかっている状況を考えてみましょう。そんなとき、「家族が散らかして片付けない」「なぜこれを買ったのか」「忙しいのに物が溜まって片付けられない、ダメな自分…」「このアイテムは将来、必要になるかもしれない」など、さまざまな思考が頭をよぎることがあります。これはまさに、過去や未来に思考が囚われている状態です。片付けをしようと思ってもなかなか行動に移せない場合の原因にもなりうるのです。 そこで、「今この瞬間に集中する」方法、つまりマインドフルネスを取り入れてみましょう。「チラシが積んである」「洗い物がある」「床にシミがある」など、目の前の物をただ描写し、落ち着きを取り戻します。このとき、自分を責めたり、片付けることを考えずに、ただ現在に集中します。気持ちがふっと落ち着いたら、自分が今後どうしたいのか、次のアクションプランを考えてみます。家族と一緒に片付けの日を設けたい、家が散らからないための仕組みを考えたいなど、物事を前向きに進めるためのポジティブな考え方が生まれることでしょう。 もちろん、これは一例に過ぎません。気持ちが曇ってしまったときや心配事が浮かんだとき、気持ちが焦ってしまったときはこの方法をぜひ応用してみてくださいね。
「今ここに集中するため」のプチトレーニング
先述した通り、私たちの脳は常に、何か物事を考えるように構成されています。近年、生活に不可欠な存在となったスマートフォンは、私たちの集中力を削ぎ、アプリに夢中になるよう設計されていると言われます。そこで、自分の集中力を守るために、「今ここに集中する」ためのプチトレーニングを日々実践することをおすすめします。今回は呼吸法、散歩、掃除、スキンケアをご紹介します。 呼吸法: 深い呼吸は心を落ち着かせる効果があります。ゆっくり息を吸い、吐くだけで、呼吸に意識を向けることで心が落ち着きを取り戻し、ストレスが軽減します。また、一般的に「瞑想」といわれる方法もおすすめです。静かに座って目を閉じ、心の平穏を取り戻してみましょう。特に朝起きた直後の瞑想は、思考がリセットされていることもあり、ベストなタイミングといえるでしょう。 瞑想の時間は、3の倍数が理想的です。最初は3分にタイマーをセットし、呼吸や周囲の音に注意を向けてみましょう。慣れてきたら、6分、9分、12分と時間を伸ばしてみてください。これにより、1日を前向きで軽やかな気持ちでスタートすることができます。 散歩:ついスマートフォンを見ながら歩いてしまいがちですが、歩くこと自体が「今ここに集中する」ための良いトレーニングになります。右足、左足という足の感覚に意識を向けたり、周りの景色や音、匂いを客観的に描写することで、心に静寂が訪れるはずです。もちろん、この方法はイライラしがちな通勤、あるいは買い物の際にも応用ができますが、車や障害物には注意してくださいね。 掃除:掃除にもマインドフルネスの考え方を取り入れれば、家事以上の意味を持ちます。汚れやシミを取るときに一つひとつの動作に意識を向けることで、現在の行動に集中し、心をリセットすることができます。気づけば部屋中がピカピカになっているという、嬉しいおまけつきです!
スキンケアでも「マインドフルネス」にTRY!
美容の観点から見ると、スキンケアの時間はマインドフルネスを実践する絶好の機会です。クレンジングや保湿の際には、肌の感触に意識を向け、その瞬間に集中してみましょう。洗顔せっけんのふかふかの泡、温かいお湯が顔に当たる瞬間、保湿ジェルのうっとりするようなやわらかなテクスチャー、肌にのせたときに感じるみずみずしさなどに感覚を向けることで、日常の忙しさから離れ、自分自身と向き合う静かな時間となります。感覚や香りそして肌に与える心地よい刺激に集中することで、マインドフルネスの実践が可能になります。
おわりに
年末年始は、多くの人にとってストレスが高まる時期ですが、マインドフルネスを実践することで、この時期をより穏やかに、そして意味のあるものに変えることができます。マインドフルネスは、私たちが現在の瞬間を最大限に生き、日々の喧騒から一時的に解放されることを可能にします。それは、心の健康を保つためのシンプルでありながら強力なツールです。ぜひ、日常の小さな瞬間に意識を向けて、心の平和を保ち、健やかな年末年始を迎えましょう! 2023.12.13
<執筆者>
宇野ナミコ / 美容ライター
ライター歴28年。女性誌の美容班アシスタントを経て独立し、現在は女性誌やweb、広告分野で美容の記事を執筆。担当分野はスキンケア、メイクアップ、ヘアケア、美容医療やフェムケアなど幅広く、丹念な取材をもとにした、分かりやすい記事に定評がある。
主な担当媒体は、FIGARO.jp、WWD JAPAN.com、CREAweb、NetViViなど。
WWD JAPAN.com
Instagram @unonamiko
>>前の記事へ>>【コラム】「人中短縮」に「涙袋」。若い世代のメイクトレンドを大人が上品に取り入れる2つのテクニック[コラム一覧へ]