美容コラム -キレイな素肌になるためのヒント-
10代~20代半ばの若い女性の間では、「人中短縮メイク」や「涙袋メイク」など「パーツメイク」が流行しています。彼女たちがマニアックともいえる「パーツ」に注目する理由とは? そして、大人の女性にこそおすすめしたい、パーツメイク法をご紹介します。
「あえてそこ!?」Z世代が注目する、ニッチなパーツメイク
Z世代(1990年代半ば~2000年代半ば生まれ)の女性たちに「トレンドのメイク」を取材すると、驚くことが多々あります。最も意外だったのは、彼女たちはファンデーションをほとんど使わないこと。 ベースメイクの主役は、トーンアップ下地やコンシーラー。肌全体を覆うという発想がない一方で、「パーツメイク」には並々ならぬこだわりを持っています。 たとえば「人中(鼻の下から唇の上の縦にある溝)を短く見せたい」や「涙袋(下まぶたのぷくっとふくらんだ部分)を際立てたい」など。目をパッチリ見せたいというならまだ想像がつきますが、「なぜ、あえてそこ!?」と思うニッチなパーツに注目しているのです。
“スマホの影響”によって生まれたメイク文化
パーツメイクが注目される理由は、スマートフォンを介したコミュニケーションにあるようです。彼女たちの声で頻繁に耳にするのが、「肌は修正するから気にしない」というセリフ。自撮りや友だちと写真を撮る場合、アプリの修正が前提のようです。さらに、アプリであれば目自体も大きく修正できてしまいます。 また、自撮りやSNSを通じて、「自分の顔」を見る機会が多いため、リアルで対面した時の肌の均一感よりも、ディテールの修正による視覚効果に目がいきやすいということも考えられます。 一見マニアックな「人中短縮」ですが、確かに年齢とともに肌全体は下垂し、顔立ちのメリハリ感が失われていきます。鼻の下の距離が短ければ、顔全体が引き締まって見える効果があります。また「涙袋」は下まぶたに光を宿すことで、瞳の印象が際立つ効果も。ある意味「理にかなったメイク」と、大人世代の筆者も感心します。
大人でも挑戦できる「人中短縮メイク」「涙袋メイク」とは?
これらのパーツメイクは、もちろん大人でもその考え方やテクニックを取り入れることができます。「人中短縮メイク」は、まず鼻のすぐ下の付け根の部分にパウダータイプのアイブロウやアイシャドウを使い、自然な影を演出します。さらに、唇山をリップライナーや口紅などでややオーバー気味に描くことで、鼻の下と口元の距離を短縮して見せるテクニックです。 一方の「涙袋メイク」は、下まぶたの膨らみの下側に影色を入れ、目元の目頭側と目尻側にパールをぼかすメイクのこと。涙袋をぷっくり際立て、目もとにうるんだ輝きを演出するテクニックです。 現在はドラックストアで販売しているコスメにまで、それぞれ専用のアイテムが登場しているほどで「注目度が高いんだな」と改めて感じます。これらの製品は手に取りやすい価格なので、挑戦してみても良さそうですね。
「立体感」と「輝き」の演出。大人の女性こそ上品に取り入れて
これらのテクニックは、結局のところ光と影を上手に操り「立体感とパーツの距離感をコントロールする」のが目的。もちろん大人の女性にも応用可能で、上手に取り入れると表情のイキイキ感が高まります。 大人の「人中短縮メイク」3ステップ 1. 小鼻脇の色ムラを、コンシーラーやファンデーションで均一に整えます。 2. 手持ちのアイシャドウなどダークブラウン系のパウダーで、鼻の下をなぞるように1mmほど影をぼかします。 3. 唇山を少しオーバーリップ気味にふっくらと描きます。 【ポイント】 鼻の下の距離を短縮することで、年齢とともに下垂しがちな顔立ちにメリハリ感を演出。唇をふっくら描くと、微笑んでいるような口もとが手に入ります。 大人の「涙袋メイク」2ステップ 1. 大人の女性はシルバー系のキラキラパールではなく、肌なじみの良いゴールド系、上品な輝きのアイテム(アイシャドウ・カラーペンシル)を用意しましょう。 2. パウダーのアイシャドウや、ペンシルアイライナーを使い、目頭から黒目の下まで、パールを細めのラインでぼかします。次に目元の中央にほんのりブラウン系のパウダーを仕込みます。とても簡単に取り入れられます。 【ポイント】 下まぶたに光を入れることで、レフ版効果により瞳の印象がイキイキと際立ちます。おわりに
メイク熱心な若い世代のトレンドは、新鮮な発見にあふれています。大人の女性はそのまま取り入れるのではなく、上品にアレンジしてぜひ挑戦を。「いつもと同じメイク」から脱却し、顔立ちを若々しく演出してくれるはずです。 2023.12.1
<執筆者>
宇野ナミコ / 美容ライター
ライター歴28年。女性誌の美容班アシスタントを経て独立し、現在は女性誌やweb、広告分野で美容の記事を執筆。担当分野はスキンケア、メイクアップ、ヘアケア、美容医療やフェムケアなど幅広く、丹念な取材をもとにした、分かりやすい記事に定評がある。
主な担当媒体は、FIGARO.jp、WWD JAPAN.com、CREAweb、NetViViなど。
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