美容コラム -キレイな素肌になるためのヒント-
頭皮は健やかな髪を育む「大地」ともいえる存在です。しかし、自分自身の頭皮の状態を、客観的に理解している人は少ないのではないでしょうか。今回は頭皮環境と髪のエイジングの関係、そして頭皮を健やかに整えるお手入れについてお届けします。
ご自身の頭皮を、見たことはありますか?
突然ですが、ご自分の頭皮をじっくり観察したことはありますか。
ほとんどの方が「NO」とお答えになるのではと思います。顔の皮膚はコスメカウンターの肌診断機やスマホの肌診断アプリなど、自身の状態を客観的に知る手段がいくつか存在しますが、頭皮を見る機会は限られていますよね(ヘッドスパや、クリニックの育毛治療くらいでしょうか)。
健やかな髪を育む「大地」ともいえる頭皮は、顔の皮膚と一枚で繋がっています。そして、顔と同じく、年齢とともにエイジングしていくもの。この頭皮のエイジングが、白髪や薄毛にも関係しているのは、意外と知られていない事実です。
30代から気づかぬうちに進行する「頭皮の老化」
以前、筆者がヘアケアメーカーの研究者の方に取材した際に、「20代後半~30代から、頭皮のエイジングは始まっている」という話を聞きました。これは、顔の皮膚と同じ様子です。
頭皮の老化サインの1つとして挙げられるのが「赤み」です。実は30代を過ぎると、部分的に頭皮に赤みが存在する人が増えていきます。この赤みは「慢性微弱炎症」といい、日焼けやケガの時に発生する炎症と違い、痛みやかゆみが生じないため、自覚しにくいのが特長です。微弱炎症が続くと代謝のリズムにダメージを与え、老化の要因になるといわれています。
取材時に見せて頂いた大規模調査のデータでは、確かに頭皮に赤みがある人のほうが、薄毛や白髪になりやすい傾向があって驚きました。同年代でも、頭皮に赤みのある人のほうが、髪の密度が低かったり、白髪が目立ちやすいといわれているようです。
スマホで頭皮を撮影して、観察してみよう
こんな話しを聞くと、ご自身の頭皮の状態が気になる方もきっと多いかと思います。ヘッドスパなどに足を運んで、マイクロスコープで観察するのも1つの方法ですが、最も簡単なのは「スマホで撮影」してみること。ご家族や友人にお願いしてもいいですし、セルフモードでも意外に簡単に撮影できます。
本来、健康的な頭皮は青白く、透明感がありますが、皆さんの頭皮はいかがでしょう。もし、ところどころ赤みが目立つなら「微弱炎症」が発生しているサイン。さらに黄ばんでいるように見えたら「糖化」が発生しているかもしれません。糖化とは頭皮のタンパク質が糖と結びつく現象で、顔の皮膚において「黄ぐすみ」と呼ばれる、エイジングサインの1つです。
頭皮環境を健やかに保つ、自宅でできる簡単なお手入れ
頭皮に赤みや黄みなどの老化サインが認められたら、どんなお手入れをするべきでしょうか。そのまま放置して白髪や薄毛が増加する前に、まずは自宅でできる簡単なケアから始めてみましょう。
1:シャンプーの方法を見直してみよう
シャンプーは毎日の習慣ですから、何となくシャカシャカ洗っている人が多いと思いますが、まず大切なのは「爪を立てない」こと。指の腹を頭皮にそっと添わせ、頭皮を動かすような気持ちで、マッサージするように洗ってみましょう。頭皮の血流を促し、毛根に栄養が届きやすくなります。
2:頭皮の紫外線対策に気を配って
頭皮は身体の中で、最も紫外線を浴びやすいエリアです。老化サインがスタートするのも、実は紫外線を浴びる「分け目」の部分から。残暑厳しいこの季節は、日傘や帽子などを取り入れて、紫外線を防ぐひと工夫を。
3:頭皮は意外と乾燥しがち? 保湿ケアも大切に
頭皮は皮脂の分泌量が多いため、一見ベタベタしているようですが、実は乾燥している人が少なくありません。特に紫外線のダメージが蓄積する、夏の終わりは要注意。まず、シャンプーを1日に複数回するのは避けて、皮脂の奪いすぎに気をつけましょう。頭皮環境にこだわったヘアケアに切り替えるのも一案です。頭皮に使えるトリートメントや、頭皮用の保湿美容液を取り入れて、頭皮を健やかに保ってあげてくださいね。
おわりに
なかなか自分では気づきにくい「頭皮のエイジング」。知らないままでいると、将来白髪や薄毛になるリスクを抱える可能性が……。紫外線ダメージが蓄積する夏の終わりは、毎日のヘアケアを見直して、健やかな頭皮と髪を育んであげましょう。 2023.9.13
<執筆者>
宇野ナミコ / 美容ライター
ライター歴28年。女性誌の美容班アシスタントを経て独立し、現在は女性誌やweb、広告分野で美容の記事を執筆。担当分野はスキンケア、メイクアップ、ヘアケア、美容医療やフェムケアなど幅広く、丹念な取材をもとにした、分かりやすい記事に定評がある。
主な担当媒体は、FIGARO.jp、WWD JAPAN.com、CREAweb、NetViViなど。
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