美容コラム -キレイな素肌になるためのヒント-
暖かな春の日差しを心地よく感じられるのも束の間。紫外線の影響が気になる季節が到来しています。肌の老化の約80%は紫外線によるとされるため、早めの対策が大切です。今回の記事では、紫外線の基本情報を再確認し、この時期から始められるUVケアについて解説します。さらに、うるおい満ちた肌状態を維持する方法もご紹介します。肌の健康を守り、美しく輝く春を過ごしましょう。
紫外線について簡単におさらい
紫外線には、波長の違う紫外線A波(UVA)と紫外線B波(UVB)の2種類が存在します。生活紫外線とも呼ばれる紫外線A波(UVA)は、地上に到達する紫外線の約9割を占めており、波長が長いため、肌の外側の表皮のすぐ下にある真皮層まで届いてしまいます。真皮層は肌のハリや弾力を保持していますが、紫外線はエラスチン繊維やコラーゲン繊維にダメージを与えてしまい、最終的にはシワやシミの原因となります。
一方、レジャー紫外線とも呼ばれる紫外線B波(UVB)は、主に表皮にダメージを与え、細胞の遺伝子に直接影響を与える作用があります。その結果、一般的に「日焼け」という状態が引き起こされます。さらに、肌の角化リズムを乱して肌がごわついたり、角層中の水分が減少し、肌あれを引き起こすこともあります。
肌を守る3つの紫外線対策
紫外線は一年中地表に降り注いでおり、特に4月から9月頃まではUVAが強い時期が続きます。たとえ冬になってもピーク時の半分程度にしかならないため、UVケアは年間を通して必要です。今回は、今日からすぐに始められる簡単な紫外線対策を3つご紹介します。
1.徹底した保湿ケアでバリア機能を整える
皮膚は「体の全体を包む最大の臓器」と言われ、表面に存在し内部を守る重要な役割を果たしています。紫外線や大気汚染、花粉などの影響や刺激を受け、過酷な環境に晒されていながら、肌のうるおいを保てているのはバリア機能のおかげです。
外部からの刺激や肌内の水分蒸発を防ぐためにも、肌のバリア機能は大切です。肌の一番外側の角層が充分に潤っていると、肌バリアは完全に機能していますが、細胞間脂質が不十分な状態では、紫外線の影響を受けやすくなるので注意が必要です。
2.日傘で肌を守る
外出時には日傘を使用しましょう。忘れてしまいがちなのは、紫外線は晴れた日や曇りの日だけでなく、雨の日でも少量ながら常に降り注いでいるということ。どのような天気でも、常に注意が必要です。
日傘の選び方にもポイントがあります。特に注目すべきは日傘の「色」です。白系よりも「黒」が良いとされています。その理由は、白は紫外線を乱反射させてしまい、紫外線が傘の下まで届く可能性が高くなるためです。日傘を新調する際には、紫外線を吸収する黒色がおすすめです。
3.衣類で紫外線から肌を守る
今の時季、ストールやカーディガンは温度調整にとても便利ですが、これらを選ぶ際にも「UVカット効果」があるかどうかに注目してみましょう。紫外線は1日15分ほど浴びると、骨を生成し、骨粗しょう症予防に有用なビタミンDが生成されるため、適度な日光浴は健康に良いとされています。特に女性は、年齢を重ねるごとに骨粗しょう症になるリスクが高まるので注意しましょう。しかし、長時間浴び続けることで紫外線の影響が懸念されます。長時間屋外で過ごす場合や散歩などの歩行時には、特に注意が必要です。
日差しを浴びたと感じたら!?保湿ケアを忘れずに
いつもより太陽の光を浴びたと感じたら、入浴後のボディケアタイムで、首や手首、足首などの衣類で隠れなかった部位を丁寧に保湿ケアすることをおすすめします。腕の疲れやだるさにもアプローチできるマッサージと一緒に試してみてください。
<保湿ケアの手順>
1.クリームやオイルを手に取ります。
2.手のひらで腕に圧をかけながらクリームなどを塗ります。この時、老廃物を流すように肌を少しさするような動作を意識しましょう。
<上腕マッサージの手順>
1.手のひらを上腕に密着させます。
2.手首から心臓の方向に向かって、やや強めの圧をかけながら、血液の流れを促すイメージで手を動かします。
3.肩までたどり着いたら、手のひらを密着させたままかけていた圧を抜き、通ってきたところを手首まで戻ります。
<下腕マッサージの手順>
1.上腕と同様に、圧をかけながら老廃物を流すように手を動かします。
2. 手首から脇の下に向かって一方通行で腕の下側を撫でるように手を動かします。
3.親指以外の3、4本の指腹で脇の下をしっかりと掻き出すイメージで流すと、老廃物に対するアプローチが可能です。
4.物足りなさを感じたら、手順2で時々「首から耳の裏側までを流す」という動きをプラスしてみてください。肩や首に直接触れるので、こりの軽減にもつながりおすすめです。
効果的な日焼け止めを塗るタイミング
出かける前のUVケアでは、まず乾燥した肌をしっかり保湿してから日焼け止めを使用します。顔と同様に、手の甲や手首など太陽光にさらされやすい部位にもUV対策を忘れずに行いましょう。また、顔や体に毎日使う日焼け止めに関しては、特に体用の日焼け止めの独特な匂いや肌触りが苦手で使用をためらうことが多いですが、最近では肌への負担が少なく、使い心地の良い日焼け止めも存在します。苦手意識を払拭して様々な商品を試してみることをおすすめします。
近年では、保湿とUVケアを同時に実現するアイテムも登場しています。生活紫外線から肌を守るために使う場合、顔と体の両方に使用できるアイテムを選ぶと、保湿と紫外線ケアが一度にできるのでおすすめです。
おわりに
春から夏にかけて降り注ぐ量が増える紫外線。数年先の肌に何らかの影響が出て後悔する前に、日々のUVケアを意識して心がけて、今の肌状態をずっと維持できるようにコツコツケアを続けましょう。自分自身で「今日も一日お疲れさま」という意味を込めて丁寧にマッサージを行うことで、リラックス効果も得られます。ぜひ日常のルーティンに取り入れて続けてみてくださいね。 2023.4.13
<執筆者> 齊藤美幸 / ビューティーセラピスト&アドバイザー 千葉船橋のプライベートサロン「リフレクソロジー&アロマ シリウス」にてリフレクソロジーをはじめとするボディトリートメントやフェイシャルや耳つぼのセオリーを応用したオリジナルの施術を提供。カラダの内外双方からアプローチするメソッドで美容と健康の両立を目指すビューティケアを得意としている。 【所有資格】リフレクソロジスト、アロマセラピスト、耳つぼストーンセラピスト、薬膳・漢方検定、美肌検定 https://www.sirius-miyuki.com