美容コラム -キレイな素肌になるためのヒント-
手や足のつらい冷え。体温が低いというわけではないのに、なぜか手や足の指先に冷えを感じたり、さまざまな冷え対策に取り組んでいるのになかなか改善されないのは、もしかしたら「ゴースト血管」が原因かもしれません。今回の記事ではゴースト血管と冷え性との関係性について、さらにつらい足先の冷えに特化したセルフケアについてお伝えします。
毛細血管が消える「ゴースト血管」を知ろう
ゴースト血管の鍵となるのは「毛細血管」です。血管には心臓から全身に血液を送る動脈と、全身から心臓に血液を戻す静脈がありますが、これらの間をつなぐ非常に細い血管のことを毛細血管といい、近年この毛細血管の血流の低下が注目されているようです。
毛細血管の太さは直径100分の1ミリくらいで、赤血球1個がギリギリ通れるくらいの幅といわれています。細いためにとてももろく、血液が届かなくなる状態が長く続くと、簡単にボロボロになって消失してしまいます。この現象のことを「ゴースト血管」と呼びます。体中に張り巡らされた毛細血管が消失して血流量が減ると、体のすみずみに栄養素や酸素が行きわたらなくなります。老廃物も排出されず体内にたまったままになるので、冷えの症状を感じやすくなってしまうのです。
血管のゴースト化が進んでしまう理由は、加齢による血管の老化と、睡眠不足や運動不足などの生活習慣の乱れが原因といわれています。体のすみずみまで十分に血液が流れないと、くすみやシミなどの肌悩みや、頭痛やめまい、便秘などのさまざまな症状、さらに心の不調につながってしまうおそれがあります。ゴースト血管を予防するために意識すべきは、質のよい睡眠をとること。傷ついた毛細血管は寝ている間に修復されるといわれていますので、生活リズムを見直したり、十分な睡眠をとるように心がけることが大切です。
ゴースト血管化を防ぐ食材の力をかりる
血管のゴースト化を防ぐには、血流を増やして毛細血管を減らさないように維持することがとても大切です。身近なところでは、ルイボスティーやシナモン、ヒハツなどに有用性があるとされています。
ルイボスティーには、毛細血管の維持に役立つ成分や物質が含まれています。「桂皮(けいひ)」という名前で漢方薬にも使われているシナモンには、体を温め、血液のめぐりをよくする成分が含まれているほかに、毛細血管を丈夫にする働きがあるといわれています。
ヒハツは沖縄や東南アジア原産の香辛料で、血管を拡張して血流を改善する働きがあります。これらの成分や物質は、限られた食材にしか含まれていないものではありますが、これらを上手く日々の食生活に取り入れることも、血流や冷え、ゴースト血管化の解決案につながる可能性があるかもしれません。
末端冷えには、足先まで血流を取り戻すフットマッサージ
足先の冷えには、血流アップを目指したフットケアがおすすめです。フットバスやお風呂でじゅうぶんに温まった後にぜひ行ってみてくださいね。
【用意するもの】
指のすべりを良くするために、クリームやオイルを用意します。肌にのせる前に手のひらで温めて、足の裏と甲側、指先までを意識してまんべんなく塗ります。椅子に座り、マッサージする足を反対側のひざの上にのせます。
1.足指をまわす
回す指の付け根の表(甲)側と裏側を挟むようにして押さえて固定し、反対側の手で指を時計回りに回します。
2.足指の裏側をさする
指の甲側に支えの片方の手を置き、もう片方の指で足裏側の指の付け根から、指先に向かって圧をかけながらすべらせます。ここは鼻の反射区でもあるので、花粉症の方にもおすすめです。
3.指と指の間を流す
甲側の指と指の間を、足指の付け根から足首方向に流します。骨にぶつかるまでの少し狭い範囲ですが、ここはリンパの反射区ですので、老廃物を流すイメージで指先で圧をかけながら流してみてください。
4.足首回し
膝の上にのせた足のくるぶし辺りを押さえて足を固定したら、もう反対側の手と足指を組み、左右に5回ずつ回します。足首が硬いと回しにくいですが、足指と組んだ手を大きくゆっくり動かしながら、指先で大きな円を描くイメージで動かすと回しやすいですよ。
5.ふくらはぎから膝
膝の上にのせていた足を床におろします。クリームやオイルを再度手にとり、手のひらで温めて使います。足首から膝上までの広範囲に使うので気持ち多めで、足りなくなったら途中で足してください。のびがよく、濃厚なクリームを使うと保湿も期待できますのでおすすめです。
クリームが温まったら足首から膝までの範囲を、圧をかけながら老廃物を流すようにすべらせます。ふくらはぎの全面、左右側、裏面の4面全てをまんべんなく、手のひら全面を密着させて行うと、とても気持ちが良いですよ。
セルフケアの後には、塗ったクリームなどを浸透させるために、靴下を履いて保湿します。できれば少し長めの靴下を選ぶと、温活にとても役に立つ「三陰交(さんいんこう)」というつぼも一緒に温めることができます。三陰交は、内くるぶしから指3本分の位置にありますので、ここを隠せるくらいの長さがある靴下や足首ウォーマーなどを選ぶと、より保温性が高まります。就寝中にも使うのなら、着圧のないゆるめのものを選ぶと、血流を妨げないのでおすすめです。
おわりに
肌のくすみやシミ、シワ、肩こりや腰痛、頭痛など体のちょっとした不調や、心のアンバランスなど、一見血流と関係なさそうなこれらの症状も、実は血流が関わっています。肌・体・心のバランスを整えてすこやかに日々を過ごすためにも、今後は血管や血流にも目を向けてみてくださいね。 2023.2.22
<執筆者> 齊藤美幸 / ビューティーセラピスト&アドバイザー 千葉船橋のプライベートサロン「リフレクソロジー&アロマ シリウス」にてリフレクソロジーをはじめとするボディトリートメントやフェイシャルや耳つぼのセオリーを応用したオリジナルの施術を提供。カラダの内外双方からアプローチするメソッドで美容と健康の両立を目指すビューティケアを得意としている。 【所有資格】リフレクソロジスト、アロマセラピスト、耳つぼストーンセラピスト、薬膳・漢方検定、美肌検定 https://www.sirius-miyuki.com>>前の記事へ>>【コラム】ヘアロスやグレーヘアにも!頭皮から美容と健康にアプローチするシャンプーケア&ブラッシング[コラム一覧へ]