美容コラム -キレイな素肌になるためのヒント-
街中の木々も少しずつ鮮やかな色に変わりはじめ、いよいよ秋本番から冬にかけて季節がすすむ頃です。この時季になると悩まされるのが秋冬の肌乾燥。季節の変わり目は肌状態もゆらぎやすくコンディションが乱れがちになります。今回の記事では肌の乾燥についてのおさらいと、肌が不安定になりやすい時季を乗り越えるアイディアをお伝えします。
「肌の乾燥状態」とは?乾燥についてのおさらい
乾燥肌を一言であらわすと「皮脂が少なめで水分が不足している肌」のことをいいます。一般に皮膚の水分量は、皮脂、NMF(天然保湿因子)、細胞間脂質(セラミドなど)という3つの保湿因子により一定に保たれています。うるおいをキープできている肌の状態というのは、天然のクリームともいわれている皮脂膜が皮膚表面に張られ、角層内が天然保湿因子や細胞間脂質で満たされて、水分が維持できている状態のことをあらわします。 ところが、これらの保湿因子のバランスがターンオーバーや何らかの理由で崩れた時に、肌のコンディションが乱れて角層内の水分も減り、乾燥した状態になってしまうのです。さらに、40代を迎えた頃からは皮脂量も減り始めるため、加齢による乾燥状態は避けては通れないのです。だからこそ、日々の保湿ケアは欠かせない大切なステップなのです。
秋冬に肌が乾燥する理由は「空気の乾き」と「夏の肌ダメージ」
主な原因としてまず考えられるのは「空気の乾燥」です。秋から冬にかけては、外気や室内の湿度が低下しやすくなる時季のため、肌の水分が蒸発してしまう原因にもつながってしまいます。また、冬はさらに冷たい風が吹くため、肌の乾燥に拍車をかけてしまいます。さらに、暖房などを使うようになるとこのような環境下でさらに乾燥がすすむのです。 また、「夏に受けた紫外線の影響」で、肌のバリア機能が低下していることも考えられます。肌の真皮層にまで届くとさえている紫外線A波(UV-A)によって、真皮層のコラーゲンやエラスチンが破壊されたり減少したりしている可能性もあります。
「肌のバリア機能」の役割とは?
肌のバリア機能は大きく二つの役割があります。外部からの刺激から肌を守ることと、肌の内側の水分を保持することです。例えば、バリア機能が充分でない乾燥が目立つ肌では、外部からアレルゲンなどの物質の侵入が容易となってしまいますが、バリア機能がきちんと働いていると、それらの物質をブロックし、外部からの異物の侵入から肌を守ってくれるのです。 また、肌の内側からは、これまで維持してきた肌の水分が外に出て行き、うるおいが失われることにも繋がってしまいます。つまり、バリア機能を維持するためには、肌表面の角層(角質層)をうるおいに満ちた状態でキープしなくてはなりません。
これから毎日意識したい、秋冬の乾燥に負けない肌を整える方法
1.秋冬もUV対策を欠かさずに続ける 紫外線は一年中地表に降り注いでいます。特に秋冬は太陽の通り道が空低いところにあるため、窓際でない室内にいても、部屋の奥深いところまで太陽の光が届くことも。外に出かけない日も、出かける日と同じように紫外線対策を意識することが大事です。 2.肌の状態で洗顔を選ぶ。 洗顔時につい肌をゴシゴシこすっていませんか。この時に生じる摩擦は、皮膚のバリア機能の低下につながりやすいとされています。肌に負担をかけない洗顔の仕方は、泡で洗う方法です。クレンジングでメイクを落とした後、たっぷりの泡を泡立てて、顔全体をふわっと包み込むように洗います。ぬるめのお湯で泡を洗い流したら、化粧水や美容液をなじませます。さらに、クリームなどの油分配合のアイテムで蓋をして、うるおいを閉じこめます。 3.肌のすみずみまで栄養を届ける、血流を促すフェイシャルマッサージ 洗顔後の化粧水や美容液、クリームを塗る時のコツは、強い力が肌に加わらないように、力を入れにくい薬指や小指を使うのがおすすめです。また、指を肌の上ですべらせるため、しっかり保湿できるタイプの保湿ケア用のコスメを使うと。スムーズに手指を動かすことができます。 まず、クリームやオイルを顔全体になじませたら、基本は顔の内側から外側に向かって手指を動かします。この時に力をいれないように、小指や薬指を使うのがベターです。摩擦を起こさないように気を付けてくださいね。 <手の動かし方の流れ> 1.あごの先端から、左右の耳の下(耳下腺)へ。 さらにその位置から、耳の後ろ、首の太い血管の横を通って鎖骨へと流します。 2.口角から左右の耳の下(耳下腺)へ。 さらにその位置から、耳の後ろ、首の太い血管の横を通って鎖骨へと流します。 3.頬は小鼻脇あたりから(中央から)左右それぞれの耳の前へ。 さらにその位置から、耳の後ろ、首の太い血管の横を通って鎖骨へと流します。 4.額は、まず左右両手の人差し指、中指、薬指の3本の指を額に対して縦にセットします。 その位置から左右のこめかみに向かって流します。 5.目のまわりはクルクルと円を描くように指を動かします。 目の周りの皮膚はとても薄いのでやさしく、ゆっくりと、心地よいと感じる力加減で行ってください。 こめかみから耳の前、耳の後ろ、首、鎖骨……というように、一連の流れがスムーズにできるようになると、血流がめぐり、顔色が良くなってスッキリとした素肌を体感できるようになります。基本的にやさしいタッチを行うことで、タッチング効果からのリラックス効果に期待ができます。
おわりに
日差しがゆるむとつい油断しがちになる紫外線対策。日々のスキンケアの中でのUVケアは大切です。肌のバリア機能を維持し、肌コンディションを守るためのUVケアと保湿ケアを毎日コツコツ続けて、乾燥しやすい時季を乗り越えていきましょう。 2022.11.9
<執筆者> 齊藤美幸 / ビューティーセラピスト&アドバイザー 千葉船橋のプライベートサロン「リフレクソロジー&アロマ シリウス」にてリフレクソロジーをはじめとするボディトリートメントやフェイシャルや耳つぼのセオリーを応用したオリジナルの施術を提供。カラダの内外双方からアプローチするメソッドで美容と健康の両立を目指すビューティケアを得意としている。 【所有資格】リフレクソロジスト、アロマセラピスト、耳つぼストーンセラピスト、薬膳・漢方検定、美肌検定 https://www.sirius-miyuki.com