美容コラム -キレイな素肌になるためのヒント-
季節により気温や湿度が変化することによって、肌の状態にも影響が表れます。特に夏の肌は汗と皮脂の量が増え、それにより毛穴が開いたりニキビができたりという肌トラブルが多く、コンディションが落ち着かない状態になりがちです。今回の記事では、紫外線から肌を守り、日焼けダメージをなるべく減らすためのアイディアをお伝えします。
夏の紫外線は1年のなかでもっとも強力!
肌悩みの元凶は紫外線とも言われるように、肌老化の原因の約80%は紫外線だと考えられています(米国皮膚科学会発表)。紫外線を浴びると皮膚の中で活性酸素が発生し、細胞にダメージを与えてその活動を弱めるとともに、肌の弾力をキープするためのコラーゲン繊維やエラスチン繊維などを分解する酵素の発生を促進するといわれています。その結果、肌の乾燥やシワ、たるみに繋がってしまいます。 年齢をかさねていくと、肌のクッションの役割を持つ基質(ヒアルロン酸など)や、肌の弾力をキープするための繊維を生み出す「線維芽細胞」の能力が衰え始めるといわれているので、紫外線ケアを習慣にして、肌のコンディションを維持するのが大切といえるでしょう。
天気によって紫外線の量は変化
紫外線が地表に降り注ぐ量は、紫外線の種類や季節によって強弱に違いがあります。レジャー紫外線ともいわれる紫外線B波(UV-B)は、その名のとおり7月から8月にかけてピークを迎えますが、冬になると一気に減ります。また、生活紫外線ともいわれる紫外線A波(UV-A)は、紫外線が弱まる冬はピークの頃の半分量となります。しかし、1年を通して変動が少ないので季節を問わず気をつけなくてはなりません。冬の時期は紫外線量が夏と比較して減りますが、どの季節も紫外線対策が必要となるのです。 さらに、毎日の天気によっても紫外線量は変動します。例えば、晴天の日の紫外線量を100%とした時の目安ですが、くもりの日では約60%、雨の日でも約30%の紫外線量が地表に届いているのです。つまり、季節や天気によって紫外線量の変動はありますが、紫外線量が「ゼロ」になるということは一切なく、一年を通して地表に降り注いでいるのです。したがって曇り空や雨模様が続く梅雨のシーズンであっても、紫外線から肌を守ることがスキンケアの課題といっても過言ではないのです。
日常使いの日焼け止めは2つの項目をチェック
日焼け止めを選ぶとき、パッケージに表示されているアルファベットやSPF数値を参考にしている方も多いと思います。改めてSPFとPAについてご紹介します。 SPF:レジャー紫外線(UV-B)の防止効果を表す数値 PA:生活紫外線(UV-A)の効果の度合いを+の数で表示しているもの 日常使いでは、SPFは10から30、PAは+表記が1〜2個(+:効果がある/++:かなり効果がある)で十分だとされています。ただ、日焼け止めはシチュエーションごとに使い分ける方が良いので、屋外でのスポーツやリゾート先で過ごすような場合は、これらの数値よりももう少し高い(大きい)表示のものをおすすめします。 日焼け止めを選ぶ際、数値はひとつの目安として分かりやすいものですが、毎日使うUVケア化粧品は肌にとってストレスが少ないものを選ぶことも大切です。特に、肌が乾燥しがちな肌タイプの場合、肌が乾燥した状態だとバリア機能が整っておらず、紫外線の影響を受けやすいとされています。その場合、水成分が多めで肌になじみやすく、かつ、保湿成分で乾燥肌をケアしてくれるアイテムを選ぶと、肌のコンディションを整えながら紫外線対策もしてくれますよ。 <効果的な日焼け止めの量> 液状タイプなら1円硬貨サイズ2個分、クリーム状ならパール粒2個分という目安量がありますが、アイテムの説明書きにある使用量を守ることが大事です。目安量の半分を手にとって額、鼻、両頬、あごに分けて置いたら、ムラなく塗りのばした後に、残りの半量を同じように重ね塗りするとしっかり塗ることができますよ。適量よりも少ないとUV効果は発揮できないので、多いかも?と思うくらいの量でしっかり塗りましょう。 また、顔や腕、足の防御は完璧でも、忘れやすいのが首元や耳の裏、えりあし部分です。そして汗をかいたらこまめに塗り直すことも大切です。メイクの上からで塗り直すことが困難な場合、日焼け止め効果のあるパウダーを使うと便利です。
日焼け止めを落とす時はとにかく丁寧に
日焼け止めが肌に残ってしまうと、肌に乾燥や酸化などを引き起こして負担をかけてしまいます。レジャー用のアイテムのなかには洗い流すときに専用のクレンジングが必要なものもありますので、説明書に書かれている内容を確認して、しっかり丁寧に洗い流しましょう。なお、最近では石けんや洗顔、ボディソープで簡単に落とせるものもあります。敏感肌の方はこのようなアイテムを選ぶとより安心といえるでしょう。
焼けてしまったらまず冷やす!
まずは冷やして炎症を鎮めることを最優先で行います。タオルに保冷剤などを巻いて、焼けたところに当てます。長時間同じ場所を冷やし続けないように気を付けてください。その後、化粧水で十分に水分を与えて保湿をします。その後、美白化粧品を最低でも1か月は使い続けてみてください。日焼けした肌はターンオーバーのサイクルが早くなると言われているので、毎日のスキンケアでできてしまったメラニン排出を促して、肌のリカバリーサイクルを正常に戻すことが大切です。
おわりに
今年の夏は、今までステイホームで我慢してきた分、行楽地にお出かけしたり、旅行やアウトドアなどを計画されたりする方も多くいらっしゃるかと思います。楽しいイベントの際には、紫外線対策を忘れずにお過ごしくださいね。これから長雨のシーズンを迎えますが、焼かないための紫外線ケアと日差しを浴びた後の丁寧な保湿ケアを日々の習慣にして、夏の日差しに負けない肌を作っていきましょう。 2022.6.8
<執筆者> 齊藤美幸 / ビューティーセラピスト&アドバイザー 千葉船橋のプライベートサロン「リフレクソロジー&アロマ シリウス」にてリフレクソロジーをはじめとするボディトリートメントやフェイシャルや耳つぼのセオリーを応用したオリジナルの施術を提供。カラダの内外双方からアプローチするメソッドで美容と健康の両立を目指すビューティケアを得意としている。 【所有資格】リフレクソロジスト、アロマセラピスト、耳つぼストーンセラピスト、薬膳・漢方検定、美肌検定 https://www.sirius-miyuki.com>>前の記事へ>>【コラム】角質はからだの状態を知らせるサイン!足裏・かかとの角質をセルフケアするアイディア[コラム一覧へ]