美容コラム -キレイな素肌になるためのヒント-
前回の記事では足裏の角質が厚くなる理由とお手入れ方法についてご紹介しました。今回は足のアーチを意識した歩き方、そして「体の地図」とも言われる足裏と角質の関係をリフレクソロジーの観点から解説します。最後には1日中体重を支えてくれる足をいたわる、寝る前のセルフケアについてもご紹介するので、ぜひチェックしてみてくださいね。
歩き方を変えると、角質がつきにくくなる!?
そもそも足のアーチとはいったいどういうものなのでしょうか。足の骨は、かかと、親指のつけ根、小指のつけ根の3か所でアーチ状に配列されており、体重を分散しています。この3か所を結んだ弓状のラインを一般的に「足のアーチ」と呼んでいます。アーチはすねや足裏の筋肉によって支えられており、歩行時や運動時にバネやクッションにもなる重要な部位です。 足のアーチが崩れると、偏平足や外反母趾、O脚などの足のトラブルに直結しやすいといわれています。また、歩く際、足が地面に着地する時に足裏のどこかかたよったエリアに刺激が伝わると、その部分に角質が付きやすくなります。これには、歩き方以外にも履物の影響もありますが、足裏やかかとの角質ケアを続けているのになかなか改善がみられない場合は、これまでの角質ケアと併せて、歩き方を意識して改善する方法を試してみるのもおすすめです。
足のアーチを整える歩き方をマスターしよう
腕を振って足が自然に前に出てきた時に、「かかと、外側、内側」と意識して足裏を地面に着ける歩き方をするようなイメージで足を動かします。左右の足に均等に体重がかかるように、腰をそらさずおへそをしっかり正面に向けて、歩幅も少々広めを意識します。歩き方のバランスが良くないと、足裏の一定部分に圧力がかかりすぎるために角質層が厚くなります。これが“ガサガサかかと”の原因にも繋がってしまいますので、立っている時もこの3点を意識した姿勢をキープすることが理想です。
足裏かかとの角質、リフレクソロジー的見解は?
足裏には「反射区」と呼ばれる両足を全身と見立てる「体の地図」が存在します。この地図は全身の臓器や器官に対応しており、反射区を介して体の調子を整えられるとされています。足裏反射区を刺激した時に痛みを感じるなど、なんらかの反応が出た部位や器官には、その臓器の機能が落ちているサインです。角質は「鎧」として機能が落ちている臓器や器官を守っている、という考え方もあるのです。 例えば、足裏のかかとに角質が多い場合は、子宮や卵巣などの婦人科系の臓器に疲れが出ているという見方をします。この他、生理の症状や婦人科系の不調、PMS(月経前症候群)など、何らかのトラブルを抱えている可能性が高いとも考えられます。一般的にはネガティブなイメージの角質ですが、実はリフレクソロジーでは体調をチェックするための判断材料のひとつとして、なくてはならない存在なのです。とはいえ、角質を放っておくとさまざまなトラブルの原因にもなるので定期的なコツコツケアは必要です。
リフレクソロジー的・足裏&かかとの角質ケアのおすすめ
1.かかとを温める かかとに触れた時に冷たいと感じる時は、骨盤腔内が冷えている可能性があります。この場合はまず、かかとを温めるのが良いようです。素足でいる時間が長い場合、せめて自宅で過ごす時だけでも靴下を履いて保護しましょう。 また、入浴時に体を洗っている間、足元が冷たいと感じることはありませんか。そんなときは洗面器にお湯を入れてそこに両足を浸す“プチ足湯”も、手軽にできるのでぜひ行ってみてください。冷えている時はこの短い時間の足湯でも心地よいと感じるはずですよ。 2.かかとをもみほぐす かかとのエリアは骨盤腔内と子宮・卵巣の反射区にあたります。かかとを手ですっぽりと覆った時に冷たいと感じたら、かかとの両側を指の関節を使ってゴリゴリと円を描くように刺激します。ほぐす前に、クリームやオイルを使うと指通りがスムーズになり、肌を摩擦から守ってくれるのでたっぷりなじませましょう。 かかとの外側(小指側)は卵巣、内側(親指側)は子宮の反射区が含まれているので、生理トラブルなど何らかの不調を感じている場合、多少痛みを感じることも。丁寧にしっかりともみほぐすことで徐々に温かいと感じるようになります。このパーツを丁寧にほぐすと、骨盤腔内の血液の巡りがよくなると言われています。また、足裏側に固い角質がついているとほぐしにくいので、お風呂あがりや足浴後など、かかとの角質が柔らかい状態の時にほぐすのがおすすめです。 次に足裏のかかと部分(硬いところ)をしっかりと指や関節を使ってほぐしていきます。角質が硬い時はクリームやオイルを使います。ひと通りほぐした後には、かかとを含む足裏全体を保湿しましょう。保湿成分が配合されたクリームや、肌なじみの良いオイルなどがおすすめです。クリームやオイルを使うことで皮膚の角質層をしっかりと潤して、足裏の肌の生まれ変わりリズムのサポートをします。 仕上げにクリームやオイルを固い角質のところなど気になる部分に重ね塗りすると、さらにしっかり保湿できます。マッサージが終わったら、クリームなどの成分がしっかりと浸透するまで、靴下を履いて過ごしましょう。
おわりに
角質はその見た目の状態からやっかいなものですが、時には体の状態を教えてくれる役に立つ存在です。とはいえ、足元が軽やかになる季節は人目にもつきやすいので、角質が目立つと気になる人も多いはず。自信を持ってサンダルを履ける自慢の素足を目指して、1日の終わりには自分自身の体の状態と向き合い、いたわりながらコツコツケアを続けていきましょう! 2022.5.25
<執筆者> 齊藤美幸 / ビューティーセラピスト&アドバイザー 千葉船橋のプライベートサロン「リフレクソロジー&アロマ シリウス」にてリフレクソロジーをはじめとするボディトリートメントやフェイシャルや耳つぼのセオリーを応用したオリジナルの施術を提供。カラダの内外双方からアプローチするメソッドで美容と健康の両立を目指すビューティケアを得意としている。 【所有資格】リフレクソロジスト、アロマセラピスト、耳つぼストーンセラピスト、薬膳・漢方検定、美肌検定 https://www.sirius-miyuki.com>>前の記事へ>>【コラム】かかとのガサガサを解消するには!?初夏に向けたフットケアで足取りも軽やかに![コラム一覧へ]