美容コラム -キレイな素肌になるためのヒント-
お肌のトラブルや悩みの中で最も多いといわれている毛穴の悩み。毛穴が目立つ要因は、年齢肌や紫外線、最近ではマスクなどさまざまな原因が考えられますが、特に「皮脂の過剰な分泌」が毛穴問題の鍵を握っていることが分かっています。今回は切っても切り離すことができない毛穴と皮脂について、そして毎日続けられる基本のスキンケアとピーリングについてお伝えします。
「毛穴の大きさは「遺伝」と関係がある!?
開きや黒ずみ、詰まり、たるみ……。このようにさまざまな悩みが起こる毛穴ですが、実は、毛穴の悩みに遺伝が大きく関わっていることはあまり知られていない事実。毛穴の大きさは遺伝的な要素があるため、生まれ持った毛穴のサイズよりも小さくはならないというのが一般的とされています。 また、毛穴の大きさは遺伝だけでなく「皮脂腺」の大きさとも関係があると言われています。皮脂腺とは皮膚の表面にある毛穴で、毛を根本から包んでいる「毛包(もうほう)」の出口の部分を指すのですが、毛穴の大きさは毛包の付随器官である皮脂腺の大きさに比例しているといわれています。 この皮脂腺の発育には男性ホルモンが影響しています。皮脂腺が大きければ大きいほど毛穴は大きく、皮脂の分泌量が増えるため、毛穴が目立つというしくみなのです。男性ホルモンの分泌量も遺伝と関係性があるため、毛穴の大きさもある程度決まっているということなのです。 しかし、男性ホルモンの分泌量などは意識的にコントロールできるものではないので、食事で摂取する脂肪分をコントロールするということを意識するのもひとつのアイディアです。脂っぽいものを食べ過ぎると過剰な皮脂が出てしまうという方も、食生活を改善するようにしてみましょう。脂肪分を必要以上に摂りすぎないように心がけることが、内側からの毛穴ケアに繋がるのです。
マスクと毛穴の関連性
長時間マスクをしているとどうして毛穴が目立つのでしょうか。目立つ毛穴ができるその理由として 考えられるのは、「マスクの中はスチームサウナ状態」になっているということです。外気の熱と自分自身の呼気による熱や水蒸気が合わさって、マスクの中は高温多湿の状態になります。つまり、スチームサウナのような状況が自分の口元、マスクの内側で起きていると想像してみてください。汗がダラダラ出てきて、毛穴も開き、皮脂も過剰に分泌されます。 これから更に暑い時季を迎えるわけですが、マスク内の環境を心地よいものにするために、清涼感あるマスクスプレーを使ってみたり、接触冷感マスクを選んだり、工夫ひとつで心地よく使えるでしょう。これらもヒントにしてみてくださいね。
毛穴の詰まりをクリアにするために心がけたいこと
肌の上に点々と現れるポツポツしたものは角栓と呼ばれるものです。これは、皮脂と角質のたんぱく質がまじり合ったもので、洗顔不足による角栓の詰まりによるものが原因です。角栓ができてしまうのは、もともとの肌質によるところもありますが、毎日の洗顔で皮脂をきちんと落とせていない可能性が高いのです。したがって、日々の丁寧な洗顔が毛穴の詰まりを防ぎ、毛穴を目立たなくさせるための近道ともいえます。 皮脂は「天然の保湿成分」だから、朝の洗顔で皮脂を洗い流してしまうのはもったいない!という話を一度は聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。しかし、ぬるま湯だけの洗顔だと、酸化した皮脂をすべて取り除くことができずに、ポツポツとした角栓を誘発してしまいます。さらに角栓の酸化が進むと、黒ずみ毛穴の原因となることに。毛穴の詰まりが気になるなら、肌をクリーンにすることが最優先です。ぬるま湯だけではなく、洗顔料や石けんを使った洗顔を心がけてみてください。
洗顔後の保湿ケアが毛穴の黒ずみを防ぐ
洗顔石けんはしっかりと泡立て、肌に刺激を与えすぎないよう滑らせるように泡をのせていきます。肌の乾燥が気になる場合、皮脂や汚れを丁寧にオフした後に、潤いをしっかりとチャージすることが大切です。 また、ターンオーバーのリズムの遅れが原因で肌に残っている古い角質も定期的にオフしましょう。年齢を重ねた肌は、20代の頃と比較するとターンオーバーのリズムも遅くなります。うまく剥がれ落ちなかった古い角質は、皮脂と合わさると毛穴の出口付近に角栓を作ってしまうからです。 また、古い角質は肌のくすみの原因にもなります。肌の生まれ変わりでもあるターンオーバーを促すため、ピーリングを日々のケアにプラスしてみてはいかがでしょうか。ピーリングコスメを選ぶ時はAHAなど肌への刺激が少ない成分を使っているかどうかをチェックして、肌に負担をかけすぎないように気を付けましょう。 特に毛穴の詰まりを防ぐためなら、ビタミンC誘導体も有用性があります。ビタミンC誘導体には皮脂の分泌を若干抑える作用があり、毛穴の詰まりを予防するのでその成分を使っているスキンケアアイテムを選ぶことも、毛穴のケアにつながります。さらに、ビタミンC誘導体にはコラーゲンを増やす作用もあるとされているので、肌を内側からサポートし、毛穴の開きを防ぐ効果にも期待できます。
おわりに
悩みのつきない毛穴ですが、毛穴ができる原因を探ると日々のスキンケアを少し意識して丁寧にすることで、悩み解消につながります。毛穴が詰まる原因をなるべく避けて、肌の環境を整えるためのスキンケアを毎日コツコツと続けてみてくださいね。2021.7.15
<執筆者> 齊藤美幸 / ビューティーセラピスト&アドバイザー 千葉船橋のプライベートサロン「リフレクソロジー&アロマ シリウス」にてリフレクソロジーをはじめとするボディトリートメントやフェイシャルや耳つぼのセオリーを応用したオリジナルの施術を提供。カラダの内外双方からアプローチするメソッドで美容と健康の両立を目指すビューティケアを得意としている。 【所有資格】リフレクソロジスト、アロマセラピスト、耳つぼストーンセラピスト、薬膳・漢方検定、美肌検定 https://www.sirius-miyuki.com