美容コラム -キレイな素肌になるためのヒント-
前回のコラムでお伝えした手元と同じように、意外と見られることの多いパーツが“ネックライン”。年齢が出やすい首のシワは、見た目よりも年齢を重ねたように見られてしまう厄介な存在でもあります。今回は見た目の年齢を左右する、首のシワへのアプローチについてお伝えします。
加齢だけでなく、日頃の生活習慣もカギ
首には縦と横につく2つのタイプのシワがあります。まず横ジワは年齢関係なく、日常の生活習慣や何気ない動作で刻まれていきます。例えば、縦に首を振る、人とコミュニケーションを取る時によく行う「うなずく」という動作は、首にシワを刻みやすいといえます。特に今はマスクで顔の半分が隠れているため、表情や動作でリアクションをする機会が増えたと思いますが、日頃の習慣が積もり積もった結果がシワとして表面に現れやすくなっているといえます。 また、縦ジワは、あごの下から首のつけ根あたりに入る細かいシワのこと。これは加齢によるものがほとんどで、若い時は目立ちにくいようです。
首のシワができる4つの理由
1.乾燥 首のシワは特に肌が乾燥すると目立ちやすくなります。また、肌のうるおい成分であるヒアルロン酸は年齢を重ねていくと徐々に減っていき、40~50代では生まれたばかりの頃と比較すると、ほぼ半減するともいわれています。また、首は顔よりも皮膚が薄くデリケートなパーツ。だからこそ、丁寧なスキンケアが必要です。 2.筋肉の衰え 表情筋のひとつ「広頚筋(こうけいきん)」は、「イーッ」と口角を下げた時に動く筋肉で、あご下から胸あたりまで広範囲に繋がっています。この筋肉が衰えると首のシワが目立つようになります。これは加齢による姿勢の悪さが原因のひとつ。スマホやパソコンで姿勢が悪くなると、広頚筋は緩み垂れ下がってしまうので、スマホの長時間使用で目線を手元に向けて操作し続けたり、パソコンの画面をのぞき込んだりするような姿勢に心当たりがあれば注意しましょう。 3.紫外線の影響 皮膚のコラーゲンは肌の真皮に存在し、肌のハリや弾力をキープするための働きをしていますが、紫外線を浴び続けることで真皮に到達した紫外線の影響を受けてコラーゲンが変性・劣化し、弾力が失われるのです。そうなることで首にシワが刻まれてしまいます。 4.リンパの流れの滞り 肌の新陳代謝が活性化していれば、首のシワは深刻化する前に回復することが可能だといわれています。しかし、リンパの流れが悪くなっているとタンパク質などのいい肌をつくるための栄養素が細胞に行きわたらなくなり、代謝がうまくいかなくなります。するとコラーゲン量が減るために肌の水分を保持できない状態に。つまり、肌の生まれ変わりサイクル「ターンオーバー」が乱れ、シワが回復せずに肌に定着してしまいます。実はむくみは、シワ形成にも大きな影響を与えていたということなのです。
首のシワ対策は「乾燥」と「紫外線」が鉄則
乾燥から首を守るためには、顔と同じようなスキンケアを行うことをおすすめします。特に入浴や洗顔の後の保湿の際に、手に残った化粧水や乳液などをそのまま首につけるだけでも大きく差が出ます。首と顔との間に境目はないことからも、首にも顔と同様なケアが不可欠といえるでしょう。 また、保湿の基本は化粧水で水分補給を行い、クリームやオイルで油分を補うというもの。けれども、オールインワンの化粧品を使うとケアがより手軽になります。ゲル状のクリームであれば水分と油分が同時に与えられるので忙しいときも簡単で時短ケアにもつながります。継続したネックケアがシワ撲滅につながりますのでコツコツ続けていきましょう。 また、紫外線対策として季節を問わずにUVケア化粧品を使うこともひとつのアイディアです。保湿性の高いUVケア化粧品を使うと日中の乾いた室内環境や、屋外の冷たい風の乾燥から肌を守ります。UVケアをせずに紫外線を日々浴び続けると、浴びた紫外線量に応じてどんどんダメージが蓄積していくと同時に、コラーゲン量も減少してしまいます。その結果、シワの原因となってしまいます。ぜひ顔と併せて首のUVケアも行ってみてくださいね。
シンプル!セルフトリートメント
お風呂上りや洗顔後のスキンケア時に、むくみ対策のネックトリートメントを取り入れてみるのはいかがでしょうか。首まわりを丁寧にケアすることで、むくみや首肩まわりの凝りの解消にもつながります。 耳たぶの裏あたり(耳下腺)から鎖骨に向けてリンパを流します。首の左右横にある、太い血管の横を、中指、薬指の2本の指腹を使って丁寧に、肌表面をなでるような力加減で行ってみてください。力を入れないように注意してくださいね イメージとしては最初、耳たぶの裏側に2本の指腹をあて、そこを起点に鎖骨の上を目指して首横のリンパを一方向に流します。2本の指が鎖骨の上側に届いたら、今度は鎖骨上を同じ指でゴリゴリと骨のきわを意識しながら流します。 もしやりにくいと感じたら、左側の首から鎖骨を右手でマッサージするといったように、左右の手を逆の耳にそえると簡単に行えます。また、首のシワを埋めるようにクリームやオイルを塗った後、あごを上げて手で支え、反対側の手でシワをのばしながらクリームやオイルを塗るやり方もプラスしてみてください。
おわりに
寒い時季はタートルネックやマフラーなどで隠れがちな首。春の訪れまでまだ少し時間はありますが、着ている洋服などで人の目に触れていない今のうちから首へのアプローチをコツコツと続けてみてくださいね。2021.2.10
<執筆者> 齊藤美幸 / ビューティーセラピスト&アドバイザー 千葉船橋のプライベートサロン「リフレクソロジー&アロマ シリウス」にてリフレクソロジーをはじめとするボディトリートメントやフェイシャルや耳つぼのセオリーを応用したオリジナルの施術を提供。カラダの内外双方からアプローチするメソッドで美容と健康の両立を目指すビューティケアを得意としている。 【所有資格】リフレクソロジスト、アロマセラピスト、耳つぼストーンセラピスト、薬膳・漢方検定、美肌検定 https://www.sirius-miyuki.com>>前の記事へ>>【コラム】ハンドタオルは何回交換するのが正解!?主婦湿疹をケアするハンドケアをマスター[コラム一覧へ]