美容コラム -キレイな素肌になるためのヒント-
秋分を迎えてこれからが秋本番。寒暖差で自律神経やホルモンバランスが崩れやすくなりやすいこの時季は体調や肌の調子がイマイチだと感じる人もきっと多いはず。その原因は、もしかすると女性ホルモンが影響しているかもしれません。今回のコラムでは、女性ホルモンと乾燥肌の関係性と、乾燥肌対策となりうるスキンケアのアイディアについてご紹介します。
波のように変動する女性ホルモン
女性のからだにとって大切な働きをしている「エストロゲン」と「プロゲステロン」という2種類の女性ホルモンは、月経の周期に合わせて分泌量は変化します。分泌されるタイミングのグラフを一度は見たことがあると思いますが、女性ホルモンは、月経の周期の中で増えたり減ったりします。この増えたり減ったりの「波」が私たちのからだと心にゆらぎをもたらし、自力ではコントロールができない「不調」となって現れるのです。 特に、30代後半以降は、女性ホルモンが減りだして心身のゆらぎが大きくなり、少々の不調は女性であれば当たり前だろうと、我慢して見過ごしている人も少なくありません。この不調の中には冷えやむくみ、肩こり、腰痛、月経痛というような症状や、うつうつとした気分、イライラ、不安、不安定というような心の状態もみられます。心のゆらぎの振り幅が大きくなることがストレスに繋がり、それがきっかけとなって心や肌にも影響がでるともいわれています。
30代後半から急増する乾燥肌に注意
肌タイプは大きく4つの種類に分けられます。その中でも、皮脂の分泌と角層(角質層)の水分量のバランスがよい皮膚をノーマルスキン(普通肌)といいます。これは、美肌の条件でもある「うるおい・なめらか・適度にはりがある・血色がよい」状態が揃ったことも差しています。肌タイプはこのノーマルスキンの他に脂性肌、乾燥肌、混合肌とありますが、年齢を重ねてくると皮脂の分泌が少なくなる傾向にあり、水分と皮脂のバランスが崩れてしまった乾燥肌の方が増える傾向にあるといいます。
女性ホルモンが影響する「肌乾燥」とは
エストロゲン(卵胞ホルモン)は、妊娠しやすい状態にするホルモンとして知られていますが実は、コラーゲンを生成し、肌や髪の新陳代謝を活発にする作用もあるため、別名「美のホルモン」ともいわれています。このホルモンが減るとコラーゲンの生成も抑えられ、肌のハリや弾力が失われやすくなり、カサカサ肌になりやすくなります。ホルモンの減少は誰にでも起こる生理現象なので、肌が乾燥しているときは水分チャージをからだの内側と外側の両方から行い、しっかりと潤すことが大切です。水やノンカフェインのお茶で適度な水分補給や、洗顔や入浴の後の十分な保湿が必要不可欠といえるでしょう。
1.保湿
洗顔は丁寧に優しく、洗顔後の保湿はしっかりと。肌の角層までをしっかりと潤すアイテムを使って肌の潤いをキープしましょう。セラミドやヒアルロン酸など、水分を肌のなかでしっかり抱え込む有用な成分が入ったローションがおすすめ。ローションを直接手に取り手でしっかりとなじませるのがコツです。乾燥が気になるところは特に丁寧に。ゲルタイプのクリームを併せて使うとしっかりと保湿できます。 また、近年ではオーガニックコスメも人気ですが、その中には水やハーブ由来のエキスなどをはじめとする「水分」は含まれていても、水分そのものを肌にキープする成分、いわゆる“保水力”にあたる成分が入っていないこともあるので注意が必要。成分表を見るクセをつけましょう。
フェイシャルクリームパックでうるおいを最大限にチャージ
潤いをしっかり肌にキープするためにも、時間がある日はパックに挑戦! 用意するのはゲルタイプのクリームとコットン、ラップのみです。 まず、水が滴り落ちない程度に絞った濡れコットン数枚を用意したら、肌にゲルタイプのクリームを軽くつけてのばし、その上からコットンをのせます。さらにラップで顔を覆うと、しっとりを実感するでしょう。 ラップはカットした状態で2枚用意するとより効果的です。1枚目はおでこから鼻の上にかけてのせ、鼻全体を覆わないようにのせます。もう1枚は、鼻の下(口の上)部分からあごにかけてのせます。軽く手で押さえてフィットさせると良いでしょう。この方法だと鼻の部分が覆われていないので呼吸を妨げませんし、もし口でも呼吸をされたい方は口部分に切れ込みを入れてみても良いですね。 また、これからの季節、乾きやすい唇の上にもクリームを塗ると潤いをチャージできます。そのまま5~10分ほど置いてください。最後にコットンやラップを外した後は、清潔な手でなじませましょう、角層をしっかり潤すことで、インナードライケアにも繋がりますよ。
2.体の水分不足
体内の水分不足も肌が乾燥する原因のひとつです。肌細胞の約60パーセントは水分でできていて、その肌細胞に栄養を送り込む血液を作るためにも、水分は不可欠なもの。水分が足りなくなると血液がドロドロになり、肌の新陳代謝を妨げることに。これを防ぐには、まずは水分を摂ること。1日に必要な水分量は1.5~2リットルとされていますが、そのうちの半分は食事でとれているので、1日に1リットルくらいがベターとされています。水分を多く摂りすぎるとむくみや冷えの原因にもなるので程よい量を心がけましょう。目安としては喉が渇いたと思ったら、一口ずつゆっくり飲むこと。体中に水分が染みわたっていくようなイメージをすることで、がぶ飲みを避けられます。 外側からローションやクリームで補うこともお忘れなく。季節が進むとさらに空気が乾いて肌も粉をふきかゆみを伴うこともあります。これを未然に防ぐためには入浴後の保湿はマスト。年齢の出やすい首や乾燥するとかゆみがでやすい足、ひざやひじなどの部位に、直接刷り込むようにしてクリームを塗ってみてくださいね。
おわりに
これから季節が進むと、ますます乾燥が気になりますが、今回ご紹介したアイディアをぜひスキンケアの中にとりいれてみてください。日々の丁寧こつこつケアは実を結びます。潤いのあるなめらかな肌をキープしてくださいね!2020.10.14
<執筆者> 齊藤美幸 / ビューティーセラピスト&アドバイザー 千葉船橋のプライベートサロン「リフレクソロジー&アロマ シリウス」にてリフレクソロジーをはじめとするボディトリートメントやフェイシャルや耳つぼのセオリーを応用したオリジナルの施術を提供。カラダの内外双方からアプローチするメソッドで美容と健康の両立を目指すビューティケアを得意としている。 【所有資格】リフレクソロジスト、アロマセラピスト、耳つぼストーンセラピスト、薬膳・漢方検定、美肌検定 https://www.sirius-miyuki.com