美容コラム -キレイな素肌になるためのヒント-

【コラム】じめじめ時季を乗り切る!すこやかなカラダをつくる汗との付き合い方

6月に入りました。ステイホーム期間中に、暖かくて過ごしやすい時季があっという間に通り過ぎ、雨の季節の足音がすぐそこまで聞こえてきました。通りの紫陽花が少しずつ色づき始めましたね。今の時季は、気温が高いわりに湿気が多く、じめじめ・ムシムシした天気が続きます。また、気候の影響を受けやすく、汗の悩みが増えてくる頃。今回は、梅雨時期から夏にかけて私たちを悩ませる“汗との上手な付き合い方”をお伝えします。

日差しをあびる植物の画像

     

そもそも、汗の役割とは?

蒸し暑くなると、顔や体にまとわりつき、頭皮が蒸れる原因となる汗は、本当に厄介なもの。それ以外にもメイク崩れや服の汗ジミ、においなど、見た目やエチケット上でとても気になることばかり。とはいえ、汗をかくことは本来、人間の生命活動に必要な体温調整をすることが最大の役割なので、必要不可欠なものなのです。

また、汗に含まれる水分と皮脂が、肌をキレイに保ってくれる善玉菌のエサにもなるので、汗はかかないよりも、肌のためにはむしろかいた方が良いといわれています。発汗することで、体調不良や体の各機能の低下から体を守り、体温の調整という大事な役割を果たすのです。

 

汗の正体~いい汗と悪い汗~

それではここからは、汗の正体を紐解いていきましょう。汗は、血液中の水分(血漿:血しょう)とミネラル(塩化ナトリウム、カルシウムなど)が、汗腺を通って流れ出たもの。体外に排出されるのは水分だけで、ミネラル分は汗腺の働きによって再吸収されて血液に戻るため、水分だけのサラッとした、ニオイのない良い汗になるのですが、ミネラルが再吸収されずに水分と一緒に出てしまうと、ベタベタした汗になってしまうのです。つまり、汗腺が本来の働きをしていないということともいえます。

ミネラル成分を含む汗は、皮膚をアルカリ性に傾けてしまう性質があるため、汗独特のニオイの原因となり、肌荒れの原因にも繋がります。つまりこれが“悪い汗”と呼ばれている理由でもあるのです。

ここ数年続いている酷暑を乗り切るために、エアコンは必需品となりました。熱中症予防のために、空調の整った快適な環境で過ごすことに慣れたため、汗をかかなくなったともいわれています。そして、デオドラント対策として使用した制汗剤が汗腺をふさいでしまい、汗腺を衰えさせてしまうことも。これがきっかけとなって、汗がかけなくなり、ベタベタした汗をかく人が増えたともいわれています。

汗をかく女性の画像

     

汗腺を鍛えよう!

衰えた汗腺を鍛えていい汗をかくために、ジョギングやウォーキングなどの有酸素運動や、入浴、バランスの良い食事の習慣を。そして、日々の入浴も貴重なボディケアタイムとして、ぜひ有効活用しましょう!

おすすめなのは“部分浴”。42度ほどの少し熱めのお湯を湯船にはり、手足だけをお湯に浸します。じんわり汗をかくまでラクな体勢でお湯に漬かります。うまく汗をかけない体質だと少し時間がかかるかもしれませんが、この入浴法を続けると、サラッとした汗がかけるようになるので、チャレンジしてみてください!

入浴後はしっかりと水分を拭き、自然に汗が引くまでクールダウンします。暑いからといってエアコンが効いた部屋などで急激に体を冷やすのは、働き始めた汗腺の機能をストップさせてしまうので、ご注意を。入浴前のコップ1杯の水分は、発汗を促すのでおすすめです。

汗が原因のメイク崩れを防ぐには

サラッとした質感のコスメを使用して、崩れにくいベースを作ることが大切です。ルースパウダーをファンデーションの上に重ねると、ベースメイクもしっかり整うので朝のメイクが長持ちしますよ。出先でお直しする場合は、皮脂を軽くティッシュオフしてからファンデーション、ルースパウダーと順にお直しするだけでOK。乾燥が気になるようならローションや乳液で水分を補給してから、メイクが崩れたところをファンデーションで整えてからパウダーをのせるとキレイに整います。

携帯できるサイズのスプレーボトルが手元にあれば、日頃使っているローションを詰め替えてバッグに忍ばせておくと、メイク直しの際に便利です。また、暑さを感じたときにシュッと顔にひと吹きすると、クールダウンもできて一石二鳥ですよ。

リフレッシュ・クーリングミストの画像

マスクと汗&乾燥対策

今年の夏はマスクが必須。いわゆる「三密」になる場所ではマスク装着が必要不可欠です。 マスクの材質にもよりますが、汗をかきやすく蒸れやニオイなど、不快の原因に繋がります。汗やメイク汚れが気になるようでしたら、インナーマスクを併用することをおすすめします。インナーマスクは文字通り、マスクの内側に装着して使います。薄手の不織布やガーゼなどでできているため、汚れたらすぐに取り換えられるので、マスクの内側を清潔に保つことができますよ。

また、マスクを着用していると、吐く息の中の水蒸気がマスク内に広がって、しっとりと保湿されたようにも感じますが、実際は、マスクを外すと、その中の水分は一気に蒸発して肌の水分を奪ってしまうために、肌は乾燥にむかってまっしぐらなので要注意。帰宅後のメイクオフ&洗顔は、ローションやゲルクリームですかさず保湿を。肌のコンディションを整えて、夏の間も乾燥に負けない肌をキープしましょう!

おわりに

人間が生きていくために必要な汗は、うまく付き合えば怖くない存在。自然にいい汗をかける体質目指して、まずはできることから試してみてくださいね。暑い夏を快適に過ごすために、今のうちからコツコツと日々のケアを続けて、夏を乗り切るための準備を始めましょう。

2020.6.10

      

汗を拭く女性の画像

<執筆者>
齊藤美幸 / ビューティーセラピスト&アドバイザー

千葉船橋のプライベートサロン「リフレクソロジー&アロマ シリウス」にてリフレクソロジーをはじめとするボディトリートメントやフェイシャルや耳つぼのセオリーを応用したオリジナルの施術を提供。カラダの内外双方からアプローチするメソッドで美容と健康の両立を目指すビューティケアを得意としている。

【所有資格】リフレクソロジスト、アロマセラピスト、耳つぼストーンセラピスト、薬膳・漢方検定、美肌検定
https://www.sirius-miyuki.com


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