美容コラム -キレイな素肌になるためのヒント-
春はむくみやすい季節です。この時季、下半身に重だるさを感じやすいのは、朝晩と日中の気温差の影響を受けているからと考えられています。特に、脚のむくみは放っておくと、余分な水分が脂肪や老廃物と結びついてセルライトになってしまうこともあるため、早めに対処することが大切です。今回は、この時季特有の「春むくみ」の原因を探り、どうすれば解消できるのか、そのアイディアをお伝えします。
「むくみ」について今一度おさらいを
むくみとは、体内に“余分な水分”が溜まっている状態のこと。水分代謝が滞り、老廃物がスムーズに流れないことがむくみの原因ともされています。 また、水分や塩分(食塩)を摂りすぎてはいませんか。脚全体がひんやり冷たい、夕方から夜になると靴がきつくなる、靴下の後が残りやすい……というのは、ふくらはぎがむくんでいるサインです。その原因は、長時間のデスクワークや運動量(特に、歩く量)が少ないこと。水分がふくらはぎに溜まり、その結果、体の冷えや肩こり、腰痛などのさまざまな症状を引き起こす原因にも繋がってしまうので、早めのケアが大事です。
「春むくみ」はここに注意!
春などの季節の変わり目は、自律神経のバランスが崩れやすいと言われています。一日の中でも朝晩や日々の気温差が大きいために“体がついていかない”と感じる方も多いのではないでしょうか。また、春は環境の変化を伴うことが多いために、ストレスをより感じやすい季節。 特に、今年は誰もが経験したことのない状況が続き、ストレスを抱える場面がより多いことでしょう。この自律神経のバランスの崩れやストレスが体内活動、なかでも水分代謝に影響し“春むくみ”としてあらわれることに。
春むくみのケアにはリンパを刺激する習慣を
むくみを改善するためにまず行えることは、リンパを刺激すること。リンパと聞くと体の巡りにまつわる機能を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。リンパには体内の老廃物を回収して体外に排出させる働きの他にも、実はウイルスや細菌などから守る免疫の働きも備えています。リンパの流れが滞ると、老廃物や余分な水分がうまく排泄されず、むくみや代謝不良という形で不具合がおこってしまうのです。リンパの流れをしっかり促すためには、日々のセルフケアが不可欠といえそうです。
春の脚むくみ対策と、おすすめアプローチ法
まず心がけたいのは、体を冷やさないことです。体を温めて巡りをよくすることは、春むくみはもちろん、体質の改善にも繋がります。体温よりも少し高めの、ストレスなく心地よいと感じる湯温の湯船につかって、じっくりと汗をかきましょう。同時に、体内に溜まった老廃物を出すことができます。また、入浴は副交感神経を刺激して自律神経の乱れを整えるので、その結果、むくみの解消にも繋がります。むくみが気になる方は、毎日湯船につかることを習慣にしてみてくださいね。 また、脚の重だるさを感じた時は脚全体をマッサージしてみましょう。リンパ管は血管と同様に全身を巡っているので、むくみや疲れを感じている部分に丁寧にアプローチすることがおすすめです。 例えば、足の甲からくるぶしまわり、膝裏・鼠径部・脇の下のリンパ節、鎖骨まわり……というように、体を洗う時に意識してみましょう。また、“お家時間”が推奨される今、じっくりボディケアに取り組んでみるのも良いですね。クリームやオイルなどさまざまなアイテムがありますが、これからの季節は気温も上昇するので、みずみずしくひんやりとした感触のゲルはなじませやすくておすすめ。脇の下は首やデコルテまわりのケアと併せて習慣化してみてください。 また、冬とは異なり、お風呂上がりのクールダウンも兼ねてきっと心地よく行えるはずなので、ぜひリンパの流れを意識しながら、老廃物の巡りを促してみましょう。少し痛みを感じる部位もあるかもしれませんが、まずは両足の甲と膝裏リンパ節、鼠径部リンパ節あたりのポイントを、意識して触れてみてくださいね。
顔むくみ対策と、おすすめアプローチ法
厄介な顔のむくみ。滞ったリンパの流れをスムーズにするために、まずは顔の筋肉をほぐしてみましょう! 適度に圧をかけて、深い部分にあるリンパに働きかけると、顔の組織は奥深いところから活性化し、新陳代謝を促します。その結果、顔むくみの解消に繋がります。 以前にもお伝えした、耳を揉む、半身浴で汗をかくなどの他に、熱すぎない程度のホットタオルを顔に当てて血行を促すなど、さまざまなアプローチ方法がありますが、顔の表情筋を鍛える体操にもぜひ試してみてください。前歯を見せて「イー」、唇をすぼめて「ウー」という形で1セット。「イー」「ウー」と意識しながら、顔の筋肉を動かしてみてください。1セットを連続して5回から10回続けます。人に見られたらちょっと恥ずかしいと思うので、時と場所を選んでトライしてみてくださいね。 さらに、フェイスラインから首、鎖骨まわりを丁寧にほぐしてむくみにアプローチする方法もおすすめです。特に、首から鎖骨の周辺までの狭い範囲に、全身の約4分の1にあたるリンパ節が集まっているので、重点的にケアするとよいでしょう。耳の下(耳下腺)あたりから鎖骨まで、首の太い筋肉の脇を通って上から下に流すようにさすると、巡りがよくなり、フェイスラインがすっきり整うでしょう。この時に、なじませやすいオールインワンゲルなどを使うことで、摩擦による色素沈着から肌を守ることができます。
お茶でむくみ対策!
漢方の生薬でもあるヨクイニン(ハトムギ)は、水分代謝をあげて、むくみをとるといわれています。また、体の中の余分な熱をとり、膿を外に出す作用もあるので、吹き出物やシミなどの肌トラブルにも。特にハトムギ茶はスーパーなどで手軽に買えるので、むくみ対策に取り入れやすくおすすめです。いつものお茶のラインナップにプラスしてみてくださいね。また、体を温めることを目的とするなら、以前にもご紹介した生姜紅茶やシナモン入りのコーヒーなどもおすすめです。
おわりに
「むくみ」といっても、その原因や理由はさまざま。脚や顔などのむくみに悩んでいる場合、まずは今回お伝えしたアプローチ方法を試してみてくださいね。特に、今はリモートワークや自宅待機などで、運動量が減っている方も多いかと思います。外出自粛を余儀なくされている状況ですが、例えば、ストレッチやスクワットのような、家の中でできる軽い運動や、人が少ないところでの散歩を習慣にして、積極的に体を動かすことを心がけましょう。春むくみをはじめ、きっとこの状況を乗り超えられるでしょう。2020.4.28
<執筆者> 齊藤美幸 / ビューティーセラピスト&アドバイザー 千葉船橋のプライベートサロン「リフレクソロジー&アロマ シリウス」にてリフレクソロジーをはじめとするボディトリートメントやフェイシャルや耳つぼのセオリーを応用したオリジナルの施術を提供。カラダの内外双方からアプローチするメソッドで美容と健康の両立を目指すビューティケアを得意としている。 【所有資格】リフレクソロジスト、アロマセラピスト、耳つぼストーンセラピスト、薬膳・漢方検定、美肌検定 https://www.sirius-miyuki.com