美容コラム -キレイな素肌になるためのヒント-
暑さ寒さも彼岸までという言葉があるように、これからは少しずつ過ごしやすい季節が訪れます。そうなってくると気になるのが体のコンディションです。朝晩と日中の寒暖差を始め、夏から秋へと季節が移り変わる頃は、体調を崩しがちに。今回の記事では、ゆらぎやすい季節を本格的に迎える前にできることや、取り入れたいアイディアについてお伝えします。
ストレスと自律神経の関係
自律神経は、自分の意思とは関係なく、無意識のうちに働いている神経のことをいいます。例えば、内臓や代謝、体温調節やホルモン分泌など、生命を維持するうえで欠かせない働きを担っているのが自律神経なのです。自律神経には、体を活動モードにし、アクセルのような働きをする交感神経と、リラックスしている時に優位になり、ブレーキのような働きをする副交感神経があります。このふたつの神経が協調して、自然に切り替わりながら働いている状態がベストなのですが、ストレスを感じた時に交感神経が反応し、常に心身の緊張が続くことで交感神経優位の状態が続き、その結果、体調を悪化させたり、肌トラブルを招いてしまったりするので注意が必要です。
女性ホルモンと自律神経の関係
自律神経の乱れは、女性ホルモンのバランスが崩れる原因のひとつともされています。その理由は、自律神経と女性ホルモンの司令塔が同じ「脳」だからです。自律神経は、脳の視床下部にある「視交叉上核(しこうさじょうかく)」という体内時計を司る部位が担い、女性ホルモンを分泌させるための指令も視床下部が担っています。このため、どちらかが乱れるともう片方も崩れてしまうのです。ここでは、女性ホルモンと自律神経のバランスが崩れた時に、体に現れる影響を3点お伝えします。 1. 睡眠不足 一日の中で副交感神経が優位になるのは、朝起きた時と昼頃、夜の就寝前にかけての時間帯です。また、日中活動している時間帯は交感神経が優位になります。一日の生活リズムと自律神経のリズムはほぼ同じで、このリズムに合わせて生活することが体調を整えるうえで大切なのです。ところが、睡眠不足を感じている場合、何らかの理由でこのリズムバランスが崩れている可能性があります。 2. 夏バテなど気温差で生じる疲れ 今年の残暑はなかなか厳しい状況。室内と外の気温差は疲れを感じる原因のひとつともいえます。外で大汗をかいた後にクーラーが効いて涼しい室内に入ると心地よく感じるのですが、この気温差で体温調節が難しくなり、その結果体のバテに繋がってしまいます。 3. 肌トラブル 気温の寒暖差で体調がすぐれない時は、肌にもその不調が現れているようです。例えば食欲がない時は食事量が減るため栄養が足りなくなりますし、体の冷えを感じる時は、血液の巡りの滞りが考えられるので、血色もあまりなく、必要な栄養素が体のすみずみに届きにくくなります。
自律神経を整えるために心がけたい3つのこと
ちょっとしたことでゆらぎやすい自律神経と女性ホルモンバランス。これらを整えるためのアイディアをお伝えします。 対策1:お風呂で体を温める 夏の間はシャワーだけで済ませていたとしても、これからの季節は湯船につかることをおすすめします。入浴時に湯船に浸かるメリットは、全身の血流の巡りをよくする効果や筋肉の疲労回復、下半身にたまりがちな血液をスムーズに心臓に戻すための働きなどいいことばかり。おまけに、シャワーだけ湯船につかるとカロリー消費にもつながるので、美容や健康にたいするメリットがたくさんあります。さらに、就寝前に体温を上げると、就寝時に向かって体温が下がる、つまり、入眠入浴時に湯船につからないのはもったいないので、ぜひこの時間を美容や健康に活用してみてください。 対策2:アロマ(芳香)を活用する アロマの良いところは、鼻から嗅覚を通して脳に直接アプローチできるところです。空気中に蒸発した精油の成分を鼻から吸い込むと、鼻の奥に付着した香りの分子となった精油の成分は電気信号に変換され、脳の大脳辺縁系に伝達されて、ここではじめて「におい」として認識されます。においとして認識された電気信号は、体の生理機能をコントロールしている視床下部まで届き、体を調節する働きに影響するとされています。 先述しましたが、視床下部は自律神経や女性ホルモンに深くかかわっているので、アロマは自律神経系に影響を及ぼすことがわかっています。最近では化粧品香料に精油を使われることが多くなりましたので、今後化粧品を選ぶ際の選択肢のひとつに、心地よいと感じる香りの精油が使われているかどうかをプラスするのも、自律神経のケアにつながるかもしれません。 対策3:意識して深い呼吸を取り入れる ここ数年続いているマスク生活で呼吸が浅くなっている人も多いようです。呼吸が浅い時は交感神経が優位になり、血管が収縮するため血流も悪くなります。すると、全身に血液が行き届きにくくなるので、肩こりや頭痛、冷えなどの症状が起きやすくなります。これを事前に防ぐためには、深呼吸でリラックスする方法がおすすめです。 やり方としては「息を吸った時間の倍の時間をかけて吐くこと」がよいとされています。例えば、以前ご紹介したような、4秒吸って、4秒止めて、8秒かけて吐ききるという呼吸法が一般的に知られていますので、こちらもひとつのアイディアとして参考にしてみてください。
おわりに
自律神経を整えることは体調を整えること。それは肌を整えることにもつながっています。季節の変わり目はなんとなく体調がすぐれないと感じる時季ではありますが、季節の移り変わりに負けない体と肌をキープするための習慣をぜひ続けてみてくださいね。 2022.9.28
<執筆者> 齊藤美幸 / ビューティーセラピスト&アドバイザー 千葉船橋のプライベートサロン「リフレクソロジー&アロマ シリウス」にてリフレクソロジーをはじめとするボディトリートメントやフェイシャルや耳つぼのセオリーを応用したオリジナルの施術を提供。カラダの内外双方からアプローチするメソッドで美容と健康の両立を目指すビューティケアを得意としている。 【所有資格】リフレクソロジスト、アロマセラピスト、耳つぼストーンセラピスト、薬膳・漢方検定、美肌検定 https://www.sirius-miyuki.com