美容コラム -キレイな素肌になるためのヒント-
コロナ禍の影響でマスク生活が始まり、3年目を迎えました。一般的に、シミや乾燥などの肌悩みが増えたというお声をよく聞きますが、メイクをオフした時の素顔を見て違和感や変化を覚えた時こそ、日々のセルフケアを見直すタイミングかもしれません。そこで今回は、マスク生活におけるシミ対策についてのおさらいと、おすすめのセルフケアについてお伝えします。
紫外線とバリア機能
マスクで起きる肌荒れやシミの要因の一つとして挙げられるのは、ターンオーバーの乱れです。その理由は、自分自身の「呼気」にあります。呼気には水蒸気が含まれているため、長時間マスクをしたままでいると、自分の呼気がマスク内の肌が潤されたように感じることもあるでしょう。しかし、この水蒸気を純粋に「水」として考えると、マスクの中は水分で満たされたのと同じ感覚になります。例えば、湯船に長時間浸かったり、お湯を張った洗面器に手を沈めたりすると、指先がふやけますが、同じことがマスクの中で起こるといっても過言ではないのです。 その状態が長く続くと、肌の角質と角質の間を埋めているセメントの役割を果たす細胞間脂質が流れ出てしまいます。すると、肌の組織はスカスになり、細胞と細胞の間にすき間ができます。その結果、肌の内側に留まっている水分はそこから外に出ていきやすくなったり、肌内側の水分を保持する肌のバリア機能が低下したりするので、最終的に肌が乾燥してしまうのです。
摩擦から肌を守ろうとしてメラニンをつくる!?
皮膚は乾燥するとバリア機能が低下して、炎症を起こしやすくなってしまうのですが、そこに物理的なマスクのこすれが原因の「マスク炎症」が加わることで、肌を守るためにメラニンを刺激してしまいます。現在起きているコロナのパンデミックを考えると、暫くの間はマスクを手放すことは難しいので、せめて、紫外線や摩擦の影響を受けないためのケアは心がけたいところですよね。なお、摩擦を起こさないマスクの扱い方は、着け外しの際、ゴムひもを持つことが大切です。マスク本体を直接手でずらしたり引っ張ったりすることは、摩擦で擦れてシミの原因になりますので、マスクを一時的に外す時は特に意識してみてくださいね。
マスクから肌を守るために心がけること
【POINT1】化粧水は3回重ねづけすることを意識 化粧水はしっかりと丁寧に、2度3度と重ねて水分を肌に入れることが大切です。また、肌が乾燥しやすい時季は、化粧水とクリームを併用する方も多いと思いますが、それぞれ異なる成分を使っていることが多いため、両方を使ってケアすることもおすすめです。化粧水には肌を整える成分、クリームには油分などを始め、保湿成分が多く使われているので、ダブルで使うことでそれぞれの美容成分を肌にとりいれることをおすすめします。 【POINT2】毎日日焼け止めを塗ること 天気や季節関係なく、一年を通して地上に降り注ぐ紫外線から肌を守るためには、毎日の日焼け止め対策が必要です。毎日使う日焼け止めですから、お気に入りのテクスチャーや肌に合うもの、肌への負担が少ないものを選ぶことをおすすめします。こってりとした質感よりも、さらっとした質感のものだと、白残りやべたつき感、肌への負担が少なくてすみます。 塗るときは、化粧水で肌を整えた後に、日焼け止めを顔全体に広げます。マスクがこすれる目の下や、マスク着脱やマスク紐で落ちやすい耳の真横など、気になる部分は特にしっかり重ね塗りします。日焼け止め効果が感じられない時は、使用している日焼け止めの量が少ないということも考えられるので、適量を丁寧に、しっかりと塗ってみてください。 【POINT3】炎症を抑える成分が入ったアイテムを使うこと 日々のスキンケアでは、美白クリームなどの化粧品を毎日使うことを心がけてみてください。化粧水で肌を整えてクリームなどで保湿をした後は、美白アイテムで締めくくります。これは、摩擦で起こった肌の炎症を抑えるトラネキサム酸などの成分を肌に届けるためです。他に、メラニンの生成を抑えるアルブチンや、メラニン色素を還元するビタミンC誘導体など、シミやそばかすへの有効成分が配合された製品を選ぶように心がけてみてください。 なお、美白化粧品は炎症を起こした肌に定着した色素沈着にも有効とされていますので、マスク着脱時にこすれてできたシミはもちろん、虫さされや傷跡、メガネの鼻パッド跡が定着した色素沈着にもおすすめです。気になるシミに常に触れたり、普段のお手入れの最中、洗顔で強くこすったり、美顔ローラーを過剰に使用するのは、肌にとって負担をかけすぎてしまう可能性があるので気を付けましょうね。
おわりに
マスクと肌トラブルは、今後も切っても切れない縁になりそうです。今後もマスクが原因の肌トラブルお悩みは続くと考えられますので、まずは日々のケアをコツコツと続けること、マスク着用時の動作を意識するなどして、肌への負担をかけすぎないように気を付けて過ごしましょうね。 2022.2.24
<執筆者> 齊藤美幸 / ビューティーセラピスト&アドバイザー 千葉船橋のプライベートサロン「リフレクソロジー&アロマ シリウス」にてリフレクソロジーをはじめとするボディトリートメントやフェイシャルや耳つぼのセオリーを応用したオリジナルの施術を提供。カラダの内外双方からアプローチするメソッドで美容と健康の両立を目指すビューティケアを得意としている。 【所有資格】リフレクソロジスト、アロマセラピスト、耳つぼストーンセラピスト、薬膳・漢方検定、美肌検定 https://www.sirius-miyuki.com>>前の記事へ>>【コラム】乾燥がシミを加速させていた!?バリア機能を高めて冬の紫外線に負けない肌をつくる方法[コラム一覧へ]