美容コラム -キレイな素肌になるためのヒント-
朝晩の空気も少しずつひんやりとし、季節はすっかり秋モード。気温の変化も激しいこの季節は心身の疲れがでないよう、読書やウォーキング、そして美味しいものを食べるなどして自分をしっかりと癒してあげたいものですね。そこで今回のコラムでは、お風呂に入りながらでもお手入れのできる「ヘアケア」について。そのなかでも、「ヘアロス(抜け毛)」にフォーカスしてご紹介します。
ヘアロスに悩む女性が急増!?
ここ数年、ヘアケアにまつわるアイテムがたくさん販売されるようになってきました。その一方で、日本人女性の悩みとして多く聞かれるのがヘアロスです。出産後のホルモンバランスの乱れに起因するものから、年齢を重ねることによる毛量の減少、また若い世代であっても薬剤によるサロン施術やストレスの影響など、その原因はさまざまです。世界的に見ても、日本人女性のヘアロスに対する意識は非常に高いといわれています。そこでまずは、ヘアロスの原因を探ってみましょう。
ヘアロスの原因その1/毎日のヘアケア
まず見直したいのは日々のお手入れについて。肌と同様、頭皮も紫外線やシャンプーなどのヘアケア製品などの影響を少なからず受けています。また、頭皮にドライヤーの風をあてすぎる、もしくは髪を乾かさないで寝る、髪質にあっていないクシを使用する、強い力でブラッシングを行うなど、日々無意識に行っている習慣がヘアサイクルを乱している可能性も。とはいえ、1日に100本以上抜けるといわれている毛髪。とくに秋は生え変わりのシーズンともいわれているので150~200本に及ぶことも。その一方で、極端に抜け毛の量が増えた、あるいは生え際が薄くなった頭皮環境に変化が現れた、朝起きたときに枕に抜け毛がたくさん落ちているなどの目に見えた症状がある場合は、迷わず専門医へ相談を。
ヘアロスの原因その2/睡眠とストレス
抜け毛の量や髪質に変化を感じた場合、ストレス度合いや睡眠の質を振り返ってみましょう。ストレスと抜け毛、髪質の関係は様々ですが、一因として考えられるのは、血流の滞りによるもの。心臓よりも高い位置にある頭皮に必要な栄養が行き渡らないことや、夜間に分泌されている成長ホルモンが不足することなどが考えられています。
ヘアロスの原因その3/ホルモンバランスの乱れ
出産後によるホルモンバランスの変化や、ピルなどの薬剤による作用なども髪質や抜け毛の量を左右するといわれています。これらの場合は専門医に相談のうえ、適切なアドバイスを仰ぐようにしましょう。
頭皮ケアが何よりも大切
髪にまつわるあらゆる悩みを改善してくれるのが頭皮ケア。代謝を高め、健やかな髪を育むためにも、マッサージと併せたケアが必要です。頭皮ケア用のエッセンスなどをお風呂後になじませてマッサージするのももちろん良いですが、まずは習慣化することが大切。普段使用しているシャンプー、あるいはトリートメントの際に行ってみましょう。
▼簡単4ステップ!頭皮ケアマッサージ [STEP1] 両手を使用し、頭皮全体を動かす [STEP2] 側頭部(耳の上周辺)を柔らかくなるまで揉みほぐす [STEP3] 頭頂部からうなじまで頭皮を上下に動かしながらマッサージ [STEP4] もう一度側頭部を揉みながら、上にむかって頭皮を引き上げる
とくにステップ2の側頭部は凝り固まりがちなパーツ。みなさんも今すぐ触ってチェックしてみてください。痛みを感じる場合は固くなっているといえるでしょう。また、この部分はグレイヘアも生えやすい箇所。マッサージをすることでグレイヘア対策にもつながります。
▼髪は30秒長めにゆすごう 普段使用するシャンプー&コンディショナーも、ヘアサイクルを正常化し、健やかな髪を育むうえでは大切な要素。1年で約300回、3年で1500回以上洗髪を行っていると考えると、よりあなどれません。アミノ酸系の洗浄成分であれば、頭皮に必要なうるおいを奪うことなく、汚れのみをオフできるのでおすすめです。また、近年では界面活性剤不使用のシャンプーも登場しているので、頭皮の赤みやフケなどのトラブルに悩んでいる場合は、取り入れてみると良いでしょう。
シャンプーは乾いた髪になじませて直接泡立てるのではなく、一度お湯で予洗いをして軽くホコリなどを落とし、手元で軽く泡立ててからなじませるのが正解。摩擦を軽減することも髪を労わり、毛先のダメージを軽減させるにはとても大切なステップです。また、頭皮や髪に残ったシャンプーなどの余剰分は毛穴の詰まりを起こす可能性も。実際にみなさんも、ヘアサロンで髪を洗ってもうらうときは、かなり念入りにゆすいでもらっていると感じると思います。シャンプー、もしくはトリートメントをしたあとは37〜39度のお湯で、いつもより30秒ほど長くゆすぐよう心がけましょう。
▼摩擦を軽減することでダメージレスに この他に、毛先が傷む原因として挙げられるのが摩擦です。特に濡れた髪のまま寝てしまうことは、髪のキューティクルが開いた状態で枕に髪があたってしまうため、髪が本来持っている水分や栄養が逃げてしまうのはもちろん、キューティクルそのものも傷んでしまうので、ダメージが進んでしまいます。お風呂からあがったらまず優しくタオルドライをして余分な水分を拭き取ったうえでドライヤーをあてましょう。なお、乾かすときは片手でタオルを持ち、水分を飛ばすようにしながらドライヤーの風をあてると、髪を熱にさらす時間も短くなります。
▼インナーケアも大切に 睡眠の質が、ヘアロスや髪質を左右するのと同様に食事もまた、美しい髪をつくる上でとても大切な要素。髪の主成分となるケラチンはたんぱく質(牛肉・豚肉・魚・卵など)に含まれるアミノ酸からつくられています。この他にも海藻類はケラチンの生成に、B群の一種であるビオチン(大豆など)はヘアロスに効果的といわれています。日々のヘアケアにプラスして、ぜひ意識してみてくださいね。
この秋はヘアケア、そしてインナーケアを心がけながら、ぜひ自分の髪と向き合ってみてはいかがでしょうか。
Text : Nathalie Lima KONISHI 2019.9.25