美容コラム -キレイな素肌になるためのヒント-
まだまだ暑い日が続いているものの、暦の上では立秋を過ぎました。朝晩の風のなかに、どこか秋の気配を感じている方も多いのではないでしょうか。さて、今回のテーマは春や秋の美容のテーマとして多く見かけられるようになった“ゆらぎ肌”について。そもそも、ゆらぎ肌とはどのような状態を指し、どう向き合っていくのが良いのでしょうか。早速、ひも解いていきましょう。
そもそも、ゆらぎ肌とは?
ここ数年、雑誌などでもよく見かけるようになった“ゆらぎ肌”というキーワード。具体的には季節の変わり目や花粉、PM2.5、黄砂などによって肌が不安定になっている状態のこと。刺激を受けることでかゆみが生まれたり肌がゴワつくことによってメイクがのらなくなったりと、その症状は人それぞれです。
一方で敏感肌は年間を通して常に肌がデリケートで、化粧品などに刺激を感じてしまいがちな状態をさします。そういった観点から、ゆらぎ肌は“季節性の敏感肌”とも置き換えられるでしょう。ここで思い出したいのは、肌のターンオーバーは約28日という事実。つまり、肌が夏の間に受けた紫外線などの刺激は、9〜10月に表面化してきます。夏から秋の変わり目に、色々な肌トラブルが出てくるのはこのためです。
クレンジングはとにかく刺激を与えないよう優しく
では、さっそく秋のゆらぎ肌のケア法について、ステップごとに追っていきましょう。この時季の肌は、夏にたくさん浴びた紫外線の影響から角質がたまりがちなうえに、春とは異なる花粉も飛散しています。肌はかなりデリケートな状態なので、クレンジングは特に丁寧に行いたいものです。
クレンジングは摩擦をかけないよう、ゲルやミルクタイプのもので優しくメイクオフを。汚れをしっかり落とすことが最優先ですが、肌が乾燥しやすい方はW洗顔不要のタイプを活用してみても良いでしょう。また、ゆすぐときは負担がかからないよう、人肌程度のぬるま湯で洗い流しましょう。 一方で避けたいのは成分が強いアイテムによるピーリング。余計なストレスは、ニキビや吹き出物の出現を促し、乾燥や刺激を受けてシミが一気に表面化する可能性も。この時季ピーリングを行うときは、フルーツ酸などの優しい成分で行いつつ、小鼻やあご、頬など、顔全体ではなくパーツを絞るのがおすすめです。
秋のスキンケアにシフトを
肌のバリア機能が低下しているこの時季の保湿は、重要なプロセスです。とはいえ、夏のスキンケアメソッドをそのまま継続し続けるのは考えもの。皮脂をうるおいと勘違いして保湿をスキップするのも避けた方が良いでしょう。もう一つ念頭におきたいのが、肌も夏バテをするということ。腸の働きが低下することで必要な栄養をうまく取り込めなくなり、肌や髪に影響が出たり乾燥が進んだりすることも。いつも以上に肌を労わる気持ちで取り組みましょう。
スキンケアのファーストステップである化粧水による保湿。もし乾燥や日焼けによるくすみなどを感じる場合は、普段使用しているものよりもワンランク保湿効果の高いものやエイジングケア用のアイテムを迷わず投入しましょう。乾燥やシワが気になる場合には、そのパーツに重ね付けをしつつ、化粧水が入りきらなくなるまで保湿を。角層のすみずみまで水分を行き渡らせることが、重要です。
成分としては、1gで6リットルもの水を抱え込むというヒアルロン酸やスクワランに注目。両方とも人間の体にも元々備わっているので安心して取り入れられます。また、もし化粧水が肌に浸透しにくいと感じる場合は、前項の方法でピーリングを。あるいは洗顔後にブースター美容液を投入して肌を柔らかくするのもひとつの方法です。
化粧水による保湿が終わったら、自身の悩みに合わせたアイテムでケアを行いましょう。晩夏に取り入れたいのはやはり乾燥対策やブライトニング、エイジングラインなど。暑さを感じる夜であれば、テクスチャーの心地よいジェルを。本格的に肌を立て直したい場合は、オイル美容液や高保湿の美容液、クリームなどでうるおいをチャージしましょう。
美容オイルの基本の「き」
この数年で特に注目を集めている美容オイルを使ったケアについて振り返りましょう。元々はギリシャをはじめとするヨーロッパが起源の美容オイルですが、現在はオイルの調合や抽出方法、さらには処方も進化。刺激も少なくサラッとしているので敏感に傾いている肌にも優しく浸透するのが大きな特徴です。また、たっぷり手にとってマッサージすることも可能。たった数滴でも頼もしい効果を発揮してくれます。
そんなオイルをより扱いやすく、そして効果を高めたのがオイル美容液。肌へのなじませやすさだけでなく、オイルが持つ性質である浸透性と相まって、次にのせる化粧品の成分をより引き込む働きもあります。もし、エイジングや紫外線による肌ダメージに悩んでいるのであれば、フラーレンという成分が配合されたアイテムが最適。ダメージの原因をスポンジのように吸収するといわれているので、老化のサインを修復する効果があります。
紫外線対策は継続を!
前述した通り、スキンケアはなるべく早めに秋冬仕様にシフトするのがベターです。しかし、日焼け止めに関しては夏と同じように塗ることが大切。暑さが少しずつ和らいできたとはいえ、紫外線は夏とほぼ同じ量が降り注いでいます。日焼け止め、あるいはSPFの入った化粧下地でブロックしつつ、メイク直しの時はパウダーファンデーションやパウダータイプのおしろいなどで額や頬などを中心に塗りなおしましょう。
季節の変わり目は疲れやすく、肌にもその影響が表れがちです。肌の状態がゆらがないよう、丁寧なケアを心がけながら健やかに残暑を乗り切りましょう。
Text : Nathalie Lima KONISHI 2019.8.21