美容コラム -キレイな素肌になるためのヒント-
いよいよ暑さも本格化してきました。熱中症、そして紫外線対策は万全でしょうか。日本の夏はハワイやヨーロッパなどと異なり、ジメジメとした湿気で過ごしにくいと感じる人も多いのではないでしょうか。前回は夏に起こりがちな毛穴詰まりを解決する方法についてご紹介しましたが、今回は酷暑を美しく乗り切るためのメイクアップテクニックをクローズアップしていきます。
【テクニック1】なめらか肌に保湿は欠かせない!
朝起きた時から肌がベトついていたり汗によってお化粧がうまくのらないからと、朝のスキンケアをスキップし、いきなり下地をなじませるのは夏によく見られるひと幕。しかし、肌の乾燥と毛穴トラブルの観点からも、これは避けるのが正解です。
理由は2つあります。一つめは前回のコラムでもご紹介した通り、乾燥が毛穴の肥大を招いてしまうこと。保湿を怠ると角質のターンオーバーが乱れ、老廃物が蓄積されて肌にザラつきが生まれたり毛穴が詰まったりするので注意が必要です。もう一つは、たとえ湿度の高い日本であっても、体内は乾燥している可能性があるということ。塩分を含んだ汗やじっとりとした大気を受けると肌は一見、うるおいに満ちているかのような錯覚を覚えます。しかし夏の体内そのものはインナードライに傾きがち。肌にもたっぷり水分が行き渡るよう、内側からの水分補給に加え、外側からも保湿剤でしっかりうるおいをキープするように心がけましょう。
【テクニック2】体感温度をコントロール
次に気になるのが崩れにくいメイクアップの方法です。まずはスキンケアのファーストステップともいえる洗顔からおさらいしましょう。 いつもの洗顔石鹸を使用したらすすぎの最後を、毛穴をキュッと引き締めるために、冷水で行うようにしましょう。また、メイクアップ前に軽く耳の下や首の後ろを冷やすのも汗がピタッと収まりやすくなるのでおすすめです。また、香りを嗅ぐだけでも体感温度を4度も下げるといわれているミントを入れた水を飲むのも良いでしょう。
【テクニック3】保湿タイムは余裕を持って
次に保湿について。最大のポイントはスキンケアアイテムをしっかりなじませるためにも5〜15分ほど置くこと。時間を冬よりも長めに置くことでメイクアップがヨレることもなく、ふっくらとした質感になります。この時重宝するのが時短の観点から考えても、オールインワンタイプのスキンケア。マッサージをしながらなじませたら、その間に朝食を食べる、軽いストレッチを行う、気分に合わせて洋服を選ぶなど、朝の過ごし方そのものを見直してみるのも良いでしょう。なお、油分を多く含んだタイプのクリームは毛穴詰まりを起こす可能性があるので、スキップするのも手。自身の肌状態を見極めながらジャッジを。
【テクニック4】ティッシュオフは最後に
夏のメイクアップはとにかく重ね塗りしすぎないことが、日中の化粧崩れを防ぐうえでの最大のポイントとなります。肌の色ムラを整えてくれるような補正効果のある日焼け止めを使用する、あるいは自身の肌色にマッチしたファンデーション&カバー力が高いものを選ぶなど、使用するアイテムをミニマルにするように心がけてみましょう。また、ファンデーションは必ず、内側から外側にむかって伸ばすことで下地溜まりを防ぐことができます。 なお、リキッドファンデーションの場合は、メイクアップの最後にティッシュで軽く油分をオフするのもひとつの方法。スキンケアの後に水分をティッシュオフするというメソッドも見かけますが、肌への保湿を重要視するのであればメイクアップの余剰分をオフするのが正解です。もし手元にメイクアップフィクサーがあれば、腕をしっかり伸ばした状態から軽くまといましょう。より汗によるメイク崩れを防ぐことができます。
【テクニック5】ミスト&UVパウダーでメイクを整えよう
そうはいっても度重なる外出によって午後には崩れてしまうメイクアップ。そこで活躍するのがミストスプレーとUVパウダーです。まず、顔から離した状態でミストスプレーを顔全体にまとって軽くなじんだと肌が感じたら清潔な手、あるいはティッシュで軽く押さえましょう。余分な皮脂やヨレたメイクを取り除くことができると同時に、その後にのせるベースメイクの密着度が高まります。なお夏とはいえ、室内は冷房などの空調で肌はとても乾燥しているもの。必ず保湿効果の高い成分を含有しているものを選びましょう。
水分チャージが完了したら手持ちのファンデーション、あるいはUVパウダーを眉間や頬、口まわりなど、メイクアップが特に崩れやすい箇所にオン。肌質を美しく見せることはもちろんですが、ここで大切なのは紫外線対策。顔に日焼け止めクリームを塗りなおすことは難しいので、必ずUVをブロックする効果のあるパウダーなど携帯しましょう。
夜は猛暑をくぐり抜けた肌と自分を労ろう
最後に夜のスキンケアについておさらいを。夏とはいえど、朝と同様にスキンケアのアイテム、ならびに分量を大幅に変えることはおすすめしません。丁寧なクレンジングで日焼け止めをはじめとするメイクアップを落としたら、化粧水やオールインワンのジェルをのせましょう。もしお風呂上がりで汗をかいてしまっている場合は、スキンケアの正しい分量を浸透させるためにも、クールダウンするまで少し時間をおきましょう。汗が引いたらスキンケアをマッサージしながらなじませれば完了。夏の肌は紫外線などによって想像以上にダメージを受けているもの。秋になって深刻な乾燥によって慌てないためにも、ぬかりなく行うようにしましょう。
夏のメイクアップ、そしてスキンケアは、朝・昼・晩に適宜水分を与えつつも、その浸透感にこだわることが大きなポイントといえるでしょう。保湿がしっかりできていればそれに応じて、毛穴の開きや皮脂過多、肌の凹凸も改善されてくる場合が多く、その結果、さらにメイクのりの良い肌状態になるといった、好循環を生み出すことができます。うだるような暑さが続いたとしてもスキンケアタイムだけは、自分と向き合う大切な時間と心得て、ぜひ余裕を持ちながら行ってみてくださいね。
Text : Nathalie Lima KONISHI 2019.7.31