美容コラム -キレイな素肌になるためのヒント-
本格的に梅雨入りし、いよいよ湿気と格闘する季節がやってきましたね。一説では日本人の肌の美しさはこの湿度のおかげともいわれていますが、そうは言っても化粧崩れや毛穴の開き、さらには冷房による乾燥に至るまで、このシーズンの肌の悩みは複合的。どのようなケアが正解なのか意外と知られていないものです。早速、ひとつずつクリアにしていきましょう。
毛穴対策=さっぱりケアではない!?
夏にかけて気になる毛穴の開き。慌ててピーリングをしたりさっぱりタイプのスキンケアに変えたりしたところ、かえって肌が乾燥して鼻の皮膚がむけてしまった、あるいは敏感肌に傾いてしまった、という経験はありませんか。これは若い頃の毛穴の開きと“大人毛穴”では、その原因が異なることが理由です。
大人の毛穴の原因はひとつではない
そもそも、毛穴の目立つ、目立たないを決定づけるのは皮脂の分泌量。皮脂腺が活発な思春期であれば、皮脂の余剰分を適切に取り除くことや過剰なスキンケアを控える、あるいは脂性肌用のアイテムを用いることで改善することができます。一方、大人毛穴の原因は、ホルモンバランスの影響やエイジング、普段の食生活やライフスタイルに至る部分まで、その理由はさまざま。さらに、その人自身が持つ肌質によっても、毛穴の見え方は変わってきます。以下のタイプに当てはまる項目があれば、ぜひスキンケアを見直してみましょう。
あなたはどの大人毛穴タイプ?
□ 毛穴が黒ずんでいる落としきれなかったメイク汚れや大気物質、老廃物が角質や皮脂と混ざり合って詰まりを起こしている状態。蓄積されるほどに毛穴の出口が大きくなり、目立ってしまうので注意が必要です。日々、年齢や肌タイプに合ったクレンジングや古い角質を柔らかくするフルーツ酸(AHA)が配合されている洗顔料を用いて改善を。
□ 毛穴がタテ型に緩んでいる頬にファンデーションが溜まりやすくなってしまったなどの悩みがある場合は、タテ型のゆるみ毛穴が潜んでいる可能性が。これはコラーゲンやエラスチンの減少によって毛穴が下垂することで起こると考えられています。この場合、毛穴対策として脂性肌用のアイテムを投入するのはご法度。肌の代謝を高めるためにもまずは丁寧な保湿を。プラスαとして弾力を高めるジェルやセラムの投入を心がけてみましょう。
□ 肌は乾燥しているのに毛穴だけ目立つ肌は乾燥が進むとバリア機能を高めようとかえって角層が厚くなり、カサつきやゴワつきを起こします。肌全体が荒れているような印象となるので結果として毛穴が目立つことに。この場合は、肌を柔らかくしながら不要な角質を取り除くことが先決。ホットタオルやスチーマーなどで毛穴を完全に開かせてからクレンジングやフェイススクラブなどのスペシャルケアを。
□ 毛穴のまわりにニキビや吹き出物がある30代後半から緩やかに低下する女性ホルモンの影響や不規則な生活、ストレスなど、原因はさまざま考えられます。また、高脂質の食事や甘いものを過剰にとることで体内のバランスが崩れることも。健康的な食生活を意識して中性脂肪を減らすこと、ストレスを軽減させるために軽い運動を行なって肌の代謝も同時に促すなどのコツコツケアを。もし突発的にできたニキビであれば、その直前の事象を思い出し、自分に合った予防と対策を講じましょう。
□ 眉間や口周り、鼻など特定のパーツに詰まりが皮脂腺と角質が混ざり合って詰まりを起こしている状態といえます。これらを放っておくと、毛穴の黒ずみとしてより目立ってしまうので要注意。また、クレンジングは広いパーツやマスカラを塗っている目元こそ意識するものの、小鼻のくぼみや口元は意外と指先で触れていない可能性も。薬指や中指を使いながら優しく汚れを落としましょう。なお、はがすタイプのパックは皮膚への刺激が強く、使い続けることで毛穴がより広がってしまうことも。
乾燥は毛穴にとっても大敵!
ここまでご紹介してきた通り、大人の毛穴を改善するためにもスキンケアにおいて見直すべきは、クレンジングの方法と正しい保湿の2つといえるでしょう。 クリアで美しい肌の要となるクレンジングは、汚れを落としながらもうるおいをしっかり与えてくれるアイテムを選びましょう。とはいえ、気候が不安定なこの時季、ターンオーバーが乱れてしまうのは当然のこと。そこで、週に1〜2回、肌に負担の少ないゲル、あるいはクリーム状のピーリングを投入してみましょう。毛穴が詰まってしまったときに慌てるのではなく、習慣化することで毛穴レスな柔らかな肌を保つのがポイントです。なお、おすすめの成分はフルーツ酸(AHA)。古い角質を優しくふやかしてくれるので敏感肌でも安心して使用できます。
もう一つ注目したいのが、近年コスメにも配合される機会も増えてきた「ビタミンC」。美白や保湿、そして毛穴を縮小させる作用を持つので「万能の美肌成分」ともいわれていますが、この成分はそのままコスメに配合しても酸化したり、角質層まで届かなかったりという性質もあります。 そこで新たに開発されたのが「ビタミンC誘導体」です。従来のビタミンCの構造の一部を変えることで、肌の奥まで有効成分を届けることが可能となりました。皮脂の分泌を正常に整えることで角栓ができにくくなったり、肌の弾力をアップさせることでゆるみ毛穴をふっくらさせたりする効果が期待できます。もちろん肌に透明感をもたらす作用もあるので、紫外線が気になるこの季節には最適な成分といえるでしょう。
今の保湿法で合っている? 正しい見極め方をマスター
なかなか乾燥肌から脱却できない、そもそもちゃんと保湿できているのか分からないと疑問に思ったことはありませんか。正しく保湿できたかどうかを判断するタイミングはスキンケア後ではなく、実は朝の起き抜けの肌。朝、洗顔をする前に乾いた手で肌を触ってみましょう。もし、うるおいが足りていないパーツがあれば、夜は保湿剤の重ねづけを。一方で、脂っぽいと感じる部分があれば、量を調整したり軽めのテクスチャーのアイテムに変えたりするのもひとつの方法でしょう。
最後に、この時季もっとも気をつけたいのが紫外線。先月のコラムでもご紹介した通り、紫外線は肌老化の原因の約7〜8割を占めると言われています。もちろんこれには、エラスチンやコラーゲンを破壊する、あるいは乾燥を引き起こすといった作用も含まれています。お出かけの際はUVベースを塗る、あるいは外出先で、パウダリーファンデーションやミネラルパウダーなどでメイク直しをするなど、こまめにガードするようにしてくださいね。もちろん、帰宅したら丁寧にオフしましょう。
日々のコツコツケアに加え、週1〜2回のスペシャルケアを行うことで肌は必ず貴女の期待に応えてくれます。また、毛穴ケアは目に見えて効果がわかりやすいので、綺麗な肌へのモチベーションアップにも繋がります。真夏でもなめらかな肌を目指すべく、ぜひ参考にしてみてくださいね。
Text : Nathalie Lima KONISHI 2019.6.26